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イオンリテール/イオン浦和美園店に衣料品「専門店モデル」オープン

2023年10月23日 18:00 / 店舗レポート

イオンリテールは10月20日、埼玉県さいたま市の「イオン浦和美園店」に新たな衣料品「専門店モデル」売場をオープンした。23日、報道向け内覧会を開催した。

<新しい衣料品売場>

新たな総合スーパー(GMS)衣料品売場の創造に向け、売場環境とオペレーションを刷新した「専門店モデル」を構築したもの。今回、2階衣料品フロアを刷新、改装前対比で売上高20%増を目指す。

イオンリテールの衣料品売場は、Z世代からシニア層まで、デイリーなカジュアルやフォーマル、スポーツ、トラベル、雑貨まで幅広く揃えている総合力が強みである一方、各ターゲットに認知されていないことが課題だった。

従来の性別ごとに分類された売場から、年齢別・シーン別に分類した売場に変えることで、より多様化するニーズや用途に合わせた商品の魅力や特長を伝えることを目指した。

<小田嶋衣料本部長(右)と森脇チームリーダー(左)>

イオンリテール執行役員の小田嶋淳子衣料本部長は、「GMSの衣料品売場は、もっと成長する可能性を持っている。これまでの衣料品改革は、実際に販売する人の心装(心構え)、気持ちを変えることはできなかった。本部主導でやってきたが、今回は、現場まで落とし込むため、事業改革プロジェクトチームが入り込んで実施している。先行して専門店モデルを導入したイオン船橋のコミュニティ社員さんのモチベーションが大きく変わった。この取り組みを、しっかりと成功させて、既存店の衣料品売場改革を進めたい」と取り組みの狙いを語る。

衣料品本部の森脇夏樹事業改革プロジェクトチームリーダーは、「我々の大きな課題として、モールには20代、30代のお客様が多く来館するが、イオンリテールの売場で取り込みができていないことがあった。そこで、今回、10代、20代といったZ世代を意識したネクストエイジ売場を展開した。そのほか、イオンリテールの強みを生かした6つの専門店モデルを構築した」と語った。

<浦和美園店のフロアレイアウト>

年齢別・シーン別に分類した売場として、ファミリー向けの「デイリーカジュアル」、ビジネスやフォーマルの「オケージョン」、シニア向けの「セカンドライフ」、Z世代向けの「ネクストエイジ」、スポーツ関連の「スポーツライフ」、靴、トラベルグッズを含めた「雑貨」の6つの専門店形式の売場を展開する。

これまでの衣料品売場は、平場と言われる見通しが良い売場展開だったが、各商品カテゴリーの世界観を訴求しにくい課題があった。そこで、今回、売場を大きな壁で仕切り、それぞれ什器や陳列・演出の仕方を変え、独自性ある専門店を開発した。

<TOPVALE COLLECTION>

「デイリーカジュアル」では、30~40代のファミリーターゲットのレディス・メンズのベーシックカジュアルウエアとインナーウエアを展開する「TOPVALE COLLECTION」を中心配置。また、トレンドを意識したフェミニンカジュアルの「ESSEME(エシーム)」や、環境に配慮したエシカル商品を展開する「SELF+SERVICE(セルフサービス)」を配置した。

<ESSEME>

カジュアル衣料は、専門店が非常に強い領域となるが、それぞれが、ターゲットを明確にした自社ブランドをインショップ形式で展開することで、ブランド訴求力を高める。

<SELF+SERVICE>

「オケージョン」では、30~40代のファミリー世代から、50代のミドル世代をターゲットに、紳士・婦人のビジネスウエア、フォーマルウエアを中心に、おしゃれなお出かけ着を提案する「SMART MEDLEY」を配置した。

<SMART MEDLEY>

「セカンドライフ」は、旅行や趣味などアクティブに人生を楽しむシニア世代に向けて、体型変化に対応した、機能と着心地にこだわった服があり、居心地よく買物ができる専門店と位置付け「otonagi」を展開する。

<otonagi>

百貨店の衣料品売場も意識しながら、「流行にとらわれず自分らしいオシャレを楽しみたい」という女性の思いを満たすファッションを提案する「PARTⅡBYJUNKOSHIMADA」や「POLO」「GoldenBear」などを揃えた。

<有名ブランドを集積>

品揃えでは、カジュアルウエアから80代以降を意識したユニバーサルデザインの服「着楽美(きらび)」などを展開する。

<着楽美>

「スポーツライフ」は、ウエルネススポーツとして、お客の健康促進をサポートする専門店として「sporsium」を配置した。美と健康をキーワードに、「エクササイズ」「フィットネス」「アウトドア」のシーンで活躍するスポーツウエア&グッズを提案。機能的で快適なアイテムを取り揃えた。

<sporsium>

イオンモールに来館するZ世代を意識したした売場としてモールとイオンリテールの直営売場の境目に「ネクストエイジ」を配置した。カジュアルアイテムにトレンドをミックスして、新しさと楽しさを提案する専門店と位置付けた。

<ダブルフォーカス>

型にはまらない自由な発想で、ウエアからファッショングッズまでトータルコーディネートを発信する売場で、自社開発のカジュアル衣料「Doublefocus」と「アメリカンライフスタイル」をテーマに、気軽にファッションをコーディネートできるナショナルブランドのアメリカンカジュアルの服や雑貨をセレクトした「SQUAREFIELD(スクエアフィールド)」を併設して展開する。

<SQUAREFIELD>

また、モールとの連結を意識した売場として、「靴、トラベル、雑貨」を集積した「雑貨」売場を展開する。人気ブランドの最新モデルやオリジナルブランドなど、ファッションとライフスタイルを提案する靴の店「ASBee(アスビー)」を入口に配置。

<ASBee>

また、旅やお出かけの必需品としてスーツケースやカバンを中心に展開する「+MOOVE(プラスモーヴ)」を隣接させた。

<+MOOVE>

そのほか、毎日のファッションにほどよいトレンド感と、スパイスを与えるファッションを提供する「MARCHErouge(マルシェルージュ)」を展開した。

<MARCHErouge>

これまでの衣料品売場の課題として、広い売場を少人数の人員で運営するため、接客時間が十分に取れない課題があった。そこで、、セルフレジとタブレット型レジ(クラウドPOSレジ)の導入により、オペレーションの大幅改善を目指した。

<セルフレジ>

従来型のセルフサービスによる販売を中心とする「デイリーカジュアル」では、セルフレジ導入により、レジ業務を効率化し、接客の時間や売場メンテナンスの時間に充てることでサービスのレベルを向上させる。

<タブレット端末>

接客販売を中心とする「セカンドライフ」、「オケージョン」には、タブレット型レジ(クラウドPOSレジ)を導入することで、接客・採寸・レジ・見送りの業務を一貫して行える体制を構築する。

<各ブランドごとに試着室を設置>

イオン浦和美園店の衣料品フロアの面積は約6257m2で、イオンリテールが考える衣料品の新たな「専門店モデル」の一つの完成形となる。今後、11月にリニューアルオープンする「イオンスタイル古川橋駅前」(大阪府門真市)に同様の売場を展開、12月にリニューアルする「イオン各務原」(岐阜県各務原市)、来春リニューアルする「イオンナゴヤドーム前店」(名古屋市)にも「専門店モデル」を導入する計画だ。

<モールから直営売場まで専門店のイメージで連結>

今後は、1000坪(約3305.78㎡)以上の売場であれば、6つの専門領域を導入する予定で、それ以下の売場面積の店舗については、商圏特性に合わせて、6つの領域の要素を組み合わせて、部分的な導入をする計画だ。

■イオン浦和美園店
所在地:埼玉県さいたま市緑区美園5ー50ー1
売場面積:約6257m2(衣料品フロア)
営業時間:9時~22時(衣料品フロア)
従業員数:社員11人、パート・アルバイト55人、合計66人

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