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大手百貨店/6月売上高20年比4社増、19年比1~2割減

2021年07月02日 14:10 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は7月1日、6月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹計前年同月比7.3%増(2019年同月比約20%減)、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店既存店計)3.0%増(27.3%減)、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店全店計)2.1%増(既存店19%減)、高島屋既存店計2.6%増(14.2%減)、そごう・西武10店計1.7%減(21.1%減)だった。

■三越伊勢丹HD(2021年3月期売上高:8160億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比13.4%増、三越日本橋本店店頭6.0%増、三越銀座店12.5%増などで、三越伊勢丹既存店計7.3%増だった。

札幌丸井三越13.9%減、函館丸井今井24.1%減、仙台三越1.9%減、松山三越38.7%減など、国内グループ百貨店計は5.6%減となり、国内百貨店計は1.8%増となっている。

首都圏はじめ多くの地域の店舗では、これまで営業時間短縮、一部売場の休業を実施していたが、6月1日から平日は全館通常営業・土日は一部売場の 休業、21日以降は土日も通常営業(レストランのみ20時までの営業時間短縮を継続)とし、
売上は前年を上回った。

売上の前々年比では三越伊勢丹計・グループ百貨店計、合わせた国内百貨店計も約8割だった。

顧客ロイヤルティーの高いラグジュアリーブランド、希少性が高いデザイナーズブランドなど、高付加価値な商品へのニーズが継続して高く、伊勢丹新宿本店を中心に時計、宝飾、ハンドバッグが好調を維持した。

また、両本店で巣ごもり需要も引き続き高く、家具、酒類などの自宅での時間を充実させるアイテムも健闘するのと同時に、季節の移り変わりから、カットソー、ヘアアクセサリーなどの夏物MDの動きが本格化した。

6月25日より一斉開催したクリアランスセールも足元では、五月雨式に開催した前年同期間比で約1.1倍と推移。三越伊勢丹オンラインストア(ギフトEC含む)の売上は前年比約1.1倍、前々年比約1.5倍と、スペシャルセールでの購買が下支えしている。

免税売上は、主要3店舗における前年6月実績の反動が大きく国内百貨店合計で前年実績を上回った。

■J.フロントリテイリング(2021年2月期売上高:7662億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比2.1%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は1.3%増だった。

6月度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の延長により、東京都、大阪府、兵庫県、京都府、愛知県、北海道、福岡県の計13店舗で、20日までの土日の営業を食料品、化粧品など一部売場に限定したことによるマイナス影響(前年は土日も全館営業)を受けたものの、ラグジュアリーブランドや美術宝飾品などが好調だった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、前年比144%増(客数23%減、客単価218%増)。

6月度の大丸松坂屋百貨店既存店計(法人・本社等の本年・過去実績を除く)は対前年比3.0%増、対前々年比27.3%減、うち国内売上高(免税売上高の本年・過去実績を除く)は対前年比2.5%増、対前々年比20.1%減だった。

■H2O(2021年3月期売上高:7391億円)
百貨店事業の全社計の売上高は前年同月比2.1%増となった。内訳は阪急本店8.2%増、阪神梅田本店16.5%減、支店計1.2%減。

緊急事態宣言が20日まで再延長となり、土日の計6日間、主力の両本店を含む関西各店で生活必需品以外のカテゴリーが休業継続となったが、前年実績をクリアし善戦。5月までの休業の反動もあり、顧客の購買意欲は活発となっている。既存店売上高前々年比も19%減(国内売上高は13%減)と復調の兆しを見せた。

また、26・27日の土日は全館営業を再開したが、7都道府県の「まん延防止等重点措置」への移行に伴い、レストランは時短営業を継続した。

阪急本店は100万円以上の高額品の売上は、ラグジュアリーを中心に前々年を上回り好調に推移。全館的に20日までの土日休業の影響はあるものの、売上高前々年比は14%減(国内売上高は4%減)と回復基調となっている。

一方、オンライン売上高(EC+リモートショッピングサービス「Remo Order」)も前年の約1.2倍と着実に成長した。ECにおいて、巣 ごもり需要により、ケーキの宅配、ワインの新企画商材などが好調。中元ギフトも伸長し、またファッションにおいても、モード系ブランド、阪急限定商品など独自性の高い取り組みへの反応が良いという。

■高島屋(2021年2月期売上高:6808億円)
高島屋各店の既存店計売上高は前年同月比1.4%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社の既存店計は2.6%増(2019年比14.2%減)となった。

6月度の店頭売上は、緊急事態宣言による一部店舗の臨時休業の影響があったが、高額品の好調により前年実績を上回った。

既存店の免税売上は前年比179.2%増(2019年比83.3%減)、
免税を除いた既存店店頭売上は1.8%増(9.1%減)となっている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)は、紳士服・紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・呉服・子供・
スポーツ・リビングなどで前年実績を下回った。
一方、特選衣料雑貨・宝飾品・食料品などが、前年実績を
上回っている。

■そごう・西武(2021年2月期売上高:4404億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比1.7%減(2019年同月比21.1%減)、西武池袋本店は2.0%増(19.7%減)となった。

営業制限の段階的緩和を受けて売上は復調傾向となった。とりわけ6月21日以降は、都内店舗においても、緊急事態宣言の解除を受けて、全体では前年並みにまで売上を戻した。なかでも、高額商材については前年の反動もあり、高級雑貨呉服は前年比約25%増、プレステージブランドについては約10%増まで売上を伸ばした。

一方、衣料品計・婦人雑貨計は約10%減にとどまった。

免税利用売上高・来店動向は、売上前年比約60%増(2019年比約65%減)、客数前年比約30%減(約95%減)となった。

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