大手百貨店/10月売上高三越伊勢丹13.5%増、そごう・西武1.8%減

2023年11月01日 16:42 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は11月1日、10月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比13.5%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)13.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)13.2%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)9.5%増、そごう・西武10店計1.8%減だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 13.5%増
J.フロントリテイリング 13.6%増
H2Oリテイリング 13.2%増
高島屋 9.5%増
そごう・西武 1.8%減

気温の高止まりで秋冬衣料品にマイナス影響があったものの、高額品、インバウンドが引き続き好調だった。

■三越伊勢丹HD(2023年3月期売上高:4874億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比11.8%増、三越日本橋本店店頭8.1%増、三越銀座店35.0%増などで、三越伊勢丹計13.5%増だった。

札幌丸井三越7.0%増、仙台三越2.0%減、静岡伊勢丹7.9%減、名古屋三越7.3%増、広島三越2.7%減、高松三越5.3%増など、国内グループ百貨店計は5.2%増となり、国内百貨店計は10.3%増となっている。

両本店を中心に、引き続き高付加価値商品の売上がけん引した。

また、伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、19カ月連続で2018年度を上回る実績で推移をしている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドを中心に秋物衣料品(セーターやカットソー、ジャケットなど)、ハンドバッグ・宝飾が引き続き売上をけん引。独自イベントや外国展の催し物も好調に推移して売上を押し上げた。

免税売上は全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾・時計など高付加価値商品に関心が見られるという。中秋節・国慶節の影響もあり、国内百貨店計(既存店)で単月の過去最高売上高を記録した。

■J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:9987億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比14.3%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は13.6%増だった。

10月度の売上高は、休日が前年同月より1日少なく、気温の高止まりを受け秋物衣料品はマイナス影響があった。しかし、ラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品が引き続き好調を持続し、訪日外国人売上は大きく伸びた。

店舗別では、15店舗中10店舗が前年実績を上回った。訪日外国人売上が好調の心斎橋店は、化粧品、ラグジュアリーブランドが大きく売上を伸ばし、対前年約4割増となっている。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年237.8%増(客数577.2%増、客単価50.1%減)となっている。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2023年3月期売上高:6280億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比13.2%増となった。内訳は阪急本店16.7%増、阪神梅田本店4.4%増、支店計10.7%増。

秋らしさを感じる天候にも恵まれ、来店客数、売上ともに好調に推移。中でも阪急本店・神戸阪急・博多阪急が売上を牽引した。

前年から全館改装を行っていた神戸阪急・高槻阪急がリモデルを完了(高槻は高槻阪急スクエアに屋号変更)。順調に推移している。

売上高の2018年対比は18%増、インバウンドを除く国内売上高対比11%増と、ともに今月もコロナ前水準に対し大きく上回った。中でも阪急本店は2018年対比29%増(同国内売上高対比16%増)、阪神梅田本店は17%増(18%増)といずれも2桁の伸びを示した。免税売上高は、5カ月連続で単月として過去最高を更新している。

阪急本店は、3カ月連続で過去最高売上高を更新した(同月対比)。

秋物の実需が活発になり、婦人ファッションカテゴリーの売上高が2桁増と前年を大きく上回った。中でも、インターナショナルファッションやアクセサリー、バッグ、化粧品の売上高が前年の2割以上と大きく増加。カーディガンなどの羽織りアイテム、ジャケット、起毛のバケットハット、厚手の洋服に合わせるボリューム・インパクトのあるアクセサリーが好調だという。

人気催事「北海道物産大会」と「英国フェア」を連続開催。「北海道物産大会」はソフトクリームをはじめスイーツがけん引し、若年層も多数来店。「英国フェア」では、紅茶とスコーンを深掘りして提案するなど、いずれも過去最高の売上高を更新している。

■高島屋(2023年2月期営業収益:4434億円)
高島屋国内百貨店既存店計は10.8%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は9.5%増だった。

10月度の売上高は、国内顧客・インバウンドとも好調に推移したことから、前年・2018年を上回った。

高額品が引き続き堅調に推移したことに加え、気温の低下に伴い秋物衣料雑貨も伸びた。

免税売上高は前年同月比164.7%増、2019年同月比74.3%増となった。

店舗別売上高では、大阪店、堺店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、岡山店、岐阜店が前年を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、サービスが前年実績を超えた。

■そごう・西武(2023年2月期営業収益:1854億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比1.8%減、西武池袋本店は0.7%増。約2年ぶりに若干前年を割る結果となった。

10月は、マスクオフによる買い替え需要もあり、化粧品は10%増と好調を継続。婦人雑貨全体でも、前年を上回って2%増と好調に推移している。

気温の高止まりを受け、衣料品はやや伸び悩み、婦人服10%減、紳士スポーツ5%減だった。

高級雑貨呉服2%増、プレステージブランドは前年並みとなっている。

免税利用売上・客数も増加傾向で、売上約3倍弱、客数約5倍弱だった。

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