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大丸有協議会/丸の内で外から店への遠隔注文とロボットの商品配送の実証実験

2022年01月25日 15:20 / 店舗

一般社団法人の大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)は1月25日、アイサンテクノロジー、三菱地所、三菱地所設計と、丸の内仲通り(東京都千代田区)で、屋外から屋内店舗への遠隔注文とロボット走行による商品配送の実証実験を、1月22日~25日で実施したと発表した。

<実証実験でのロボットの屋外走行の様子>

実験では、丸の内仲通りアーバンテラス(東京都千代田区)に設置された指定のテーブルから、スターバックスコーヒーの「丸の内三菱ビル店」(同)に遠隔注文を可能にして、注文した商品をロボットがテーブルまで配送した。大手町・丸の内・有楽町エリアで働く人や、来街者を中心とした約100人が実験に参加した。

<ロボットの屋内走行の様子>

大丸有協議会などでは、実験を通じて技術検証と参加者へのアンケートを実施。技術は「汎用的な3Dデジタルマップ構築」の検証を行った。「3Dデジタルマップ」は、屋外の「3Dデジタルマップデータ」と、「建築BIMデータ」と呼ばれる、屋内の建物のデータから仮想空間上で汎用性のある3D環境を形成し作成したデータになる。

<実空間でのデータ取得(上)と屋内外の3Dデータ作成>

具体的には、主にロボットの自己位置推定に利用する、3次元座標値の点の集まりである「点群データ」について、従来のレーザースキャナによる実測から得たデータと、今回の屋内外のデータ統合による仮想空間で作成したデータで走行シミレーションを行い、精度を比較。それぞれの点群データと高精度地図を使って、ロボットが道路上を実走行するテストを行った。

その結果、仮想空間の点群データについて、ロボットが走行可能な品質であることが確認できたほか、屋外の3Dデジタルマップデータと屋内のBIMデータを統合して構築した3Dデジタルマップが、一定の汎用性があることを確かめた。

一方、アンケートは「歩行者・モビリティ・ロボットが共存するウォーカブルな空間(都市のリデザイン)」の調査として行った。

<実験参加者100人にアンケートを実施(イメージ)>

アンケートは、実験に参加した約100人に実施。アンケート結果では、注文操作や配送の待ち時間などでの課題はあったが、「今後も、仲通りの空間活用の向上のため、ロボットを活用した、さまざまな実証・実装が行われることを期待する」と答えた人が100%(全59件)となった。

また、「日常でロボットが活躍するのが身近になる」「屋外の活用の仕方が広がる」「もっと便利になってほしい」などの、ロボットフレンドリーな環境形成を進めることに肯定的な声も寄せられた。

実験は、大丸有協議会が構成員の「大丸有スマートシティ推進コンソーシアム」が採択を受けた2021年度の「国土交通省(都市局)/スマートシティモデルプロジェクト(継続採択/3年目)」の一環として行った。大丸有協議会と参加企業は、実験で一定の成果を得られたことから、今後、実用化も検討する。

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