井村屋／8月31日、最後の「アンナミラーズ高輪店」閉店

2022年06月14日 16:00 ／店舗

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井村屋グループは6月14日、事業会社の井村屋が運営するアメリカ料理とホームメイドパイを提供するレストランチェーン「アンナミラーズ高輪店」を8月31日に閉店すると発表した。

＜アンナミラーズ高輪店＞

井村屋は、1973年に「アンナミラーズ青山店」を開店し、アメリカ料理とホームメイドパイを提供するレストランチェーンとして事業展開をおこなってきた。「アンナミラーズ高輪店」は1983年11月30日にアンナミラーズ11番目の店舗としてオープンした。現存する、日本唯一の店舗となっている。

品川駅前の「京急ショッピングセンターウィング高輪」2階に入居し、立地条件にも恵まれ40年間多くのお客が利用し、アンナミラーズブランドを世に広める大きな役割を果たした。今回、国土交通省から品川駅西口基盤整備事業に伴う移転要請があり、移転対象となる他店とともに退店について合意し協力することとなった。

今後、アンナミラーズでは、店舗としては高輪店同様の集客力が得られる立地候補を検討しているが、現在のところ新規出店は未定となっている。一方で、全国にアンナミラーズのオリジナル・パイやチーズケーキのファンが数多くいるため、EC販売を中心に商品を購入できるよう、さまざまな展開を進める予定だ。

＜南青山の1号店＞

日本国内のアンナミラーズは1973年6月13日に南青山に1号店をオープンした。井村屋製菓（現・井村屋グループ）初代社長の井村二郎氏が外食産業の黎明期にあって、アンナミラーズの代名詞である特色あるアメリカンパイに出会いサンフランシスコにあったアンナミラーズ社と提携し日本展開したのが始まりだった。

練りパイと言われる食感のあるパイ生地や濃厚なカスタードクリームを使うなど当時日本にない数々のパイやコーヒーのおかわり無料サービス、アメリカと同じユニフォームなどアンナミラーズが提供したホスピタリティ（おもてなし）サービスの数々は、高度経済成長期にあった生活スタイルに合致し、多くのお客から支持を得た。

＜ユニフォーム＞

青山店を皮切りに自由が丘、目黒、吉祥寺、下北沢など若者が多く集まる立地に出店を重ね、延べ25店舗を数えたが、生活スタイルの変化などもあり、現在は高輪店のみ営業を継続している。閉店に向けて、6月13日から順次、昔懐かしい復刻パイを販売する。また、ノベルティ商品の販売も計画している。詳しい内容は公式ホームページで随時、発表する。

復刻パイの第一弾は、1980年代～90年代に販売していた人気商品の「ココナッツカスタード」1ピース（税込660円）。同社によると、「濃厚カスタードをこんがりと焼きあげ、ローストココナッツをトッピングした。ほろ苦いカラメルソースとの相性が抜群」という。

＜ココナッツカスタード＞