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東レ経営研究所/24時間営業など「コンビニ業界の現状と課題」レポート

2019年11月13日 16:10 / 経営

経済産業省の「新たなコンビニのあり方検討会」の委員を務める東レ経営研究所の永井知美チーフアナリストは11月7日、調査レポート「コンビニ業界の現状と課題―時短騒動で露呈した現場の疲弊。コンビニ本部は加盟店の状況変化に対応できるか―」を発表した。

<新たなコンビニのあり方検討会>
新たなコンビニのあり方検討会

2019年2月、東大阪市のコンビニ加盟店オーナーが 24 時間営業に異を唱え、時短営業を強行したことに端を発した騒動で、コンビニ本部と加盟店のあり方に注目が集まっている。

問題の本質は、多くのコンビニ加盟店が「極端な人手不足に陥り過酷な労働を強いられるのに、儲からなくなった」ことにある。本部も時短実験の開始、IT活用による省人化、従業員派遣制度、複数店経営推進等の対策を打ち出しているが、今のところ加盟店の苦境を救う決定打とはなっていない。

コンビニ本部は、社会変化を巧みに読み取って客層の拡大に成功してきた。人件費の変動を考慮した契約内容にするなど、加盟店オーナーを取り巻く環境の変化にも対応すべきではないだろうかとレポートで問題提起をしている。

永井氏は、経済産業省の「新たなコンビニのあり方検討会」の委員として、加盟店オーナーのヒアリングに参加した。加盟店オーナーから、「開店以来12年間1日も休んでいない」「業務は増える一方なのにさっぱり儲からない」といった悲痛な訴えを聞いている。

その上で、コンビニ店舗数が、5万5000店を超えるに及び店舗売り上げが伸びない一方で、人手不足や人件費高騰、高いロイヤルティー、24時間営業、増える一方のサービス・製品が加盟店を疲弊させ、利益を圧迫していると指摘している。

レポートは、「時短騒動の背景」「いよいよ頭打ち(?)のコンビニ業界」「コンビニを持続可能なものにするには」の3つの項目で構成する。

時短騒動の背景では、「コンビニ会計」という特殊性「もはやオーナーでも何が何だかわからないサービスと製品の洪水」「大企業病(?)の本部」「高いロイヤルティー」「コンビニはインフラ産業」といった各項目を詳細に論じている。

いよいよ頭打ち(?)のコンビニ業界では、「5万店まではクリアしたが」「複数店経営は救世主になるのか」のテーマを分析している。

コンビニを持続可能なものにするにはでは、「ITによる省人化」「時代の変化に即した利益配分の見直しを」について解説している。

コンビニ業界の現状と課題―時短騒動で露呈した現場の疲弊

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