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カルビー/「フルグラ」を中国で本格発売、越境ECサイト天猫国際と提携

2017年05月25日 15:00 / 経営

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カルビーは5月25日、アリババグループの日本法人アリババが運営する「Japan MD center」の協力のもと、8月から越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」内で「フルグラ」を先行発売する、と発表した。

<アリババ・グループHDのダニエル・チャンCEOとカルビーの松本晃会長>

「天猫国際」は、アリババグループが2014年に設立したBtoCのショッピングモール。「フルグラ」販売開始に伴い、カルビーはアリババが所有する最新のマーケティングサービス(中国国内の消費に関するデータや知見)を活用し、中国在住の顧客の嗜好に合わせたセールスプロモーション、商品開発を行う。アリババの香山誠社長は「中国のアリババ利用者5億人のうち、越境ECサイト天猫国際を1億人が使用しており、これら利用者がターゲットになる」としている。

近年、中国国内で「フルグラ」の人気が高まっており、カルビーは昨年60億円規模の「フルグラ」が中国国内で販売されていたとみている。しかし、福島での原発事故を受け、中国では「フルグラ」のメイン工場のある栃木県を含む1都9県で製造された製品の輸入を禁じている。

カルビーでは、今年8月に北海道工場、来年夏には京都工場の稼働を予定しており、「フルグラ」の輸出体制を整えた。今年8月の北海道工場(千歳市)における「フルグラ」生産開始に伴い、中国での販売が可能となることを受け、年間で一番の商機である「独身の日(11月11日)」まで「天猫国際」内で「フルグラ」を先行販売する。

<「北海道製造ロゴ」を採用>

また、パッケージには中国での販売に向けて、安心・安全をアピールするために開発した「北海道製造ロゴ」を採用し、「北海道ブランド」効果による安心感の定着を図る。今後、「天猫国際」限定商品の販売やアリババのデータ活用による商品共同開発、温かい朝食を好む中国人に向け、フルグラとヨーグルトや牛乳などを組み合わせた「時短+健康」などの価値を付けた新しい朝食提案に取り組んでいく。

一般的なスーパーなどの流通に比べ、越境ECサイトは関税が安く、消費税もかからないので、コスト競争力があるため、当面はアリババ・グループをメインに越境ECサイトで販売する。

5月25日行われた記者会見で、ダニエル・チャンCEOは、「カルビーの新しい工場、新しい商品ができ、中国でもフルグラは喜ばれるのではないか。中国での成功を期待している」とあいさつ。

松本晃会長は、「北海道工場は生産能力40億円で、京都工場が150億円。2~3年後には中国で200~300億円規模の売り上げになるとみている。天猫国際での販売で優れたアリババグループのECサイトのノウハウを学び、日本国内にも生かしたい。フルグラは、将来的に国内500億円・海外1000億円の高い売上目標を掲げているが、まずは中国の越境EC市場をしっかりやっていきたい」と話した。

カルビーは、中国における「Calbeeブランド」の認知向上を目的として、2015年10月に事業運営子会社「Calbee E-commerce Limited.」を設立。2016年1月から「天猫国際」内のカルビー直営店において「じゃがポックル」や「じゃがビー」などを販売している。また、日本から中国への越境EC市場は1兆円を突破、前年比130%の成長を記録(経済産業省調べ)。安全・安心な商品を求める中国在住の顧客にとっては、一般的な購入手段となりつつあり、カルビーでは、北海道・京都工場の設備増も見据え、海外市場での販売拡大を目指す。

<松本会長、香山社長、藤原かおりフルグラ事業本部長>

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