2020年の企業倒産/「新型コロナ」関連792件、小売は1054件3年ぶり減
2021年01月13日 17:10 / 経営
東京商工リサーチは1月13日、2020年の「年間全国企業倒産状況」を発表した。
<小売業1054件と3年ぶり減>
※出典:東京商工リサーチホームページ
2020年(1~12月)の全国企業倒産(負債総額1000万円以上)は、件数が7773件(前年比7.2%減)、負債総額は1兆2200億4600万円(14.2%減)だった。
件数は、コロナ禍の各種支援策に支えられ、7月以降、6カ月連続で前年同月を下回った。年間では2018年以来、2年ぶりに前年を下回っている。8000件を下回ったのは30年ぶりだという。
「新型コロナウイルス」関連倒産は、累計で792件に達した。
■小売業の倒産1054件(14.3%減)
2020年の産業別は、10産業のうち、6産業で件数が前年を下回った。
新型コロナウイルス感染拡大でインバウンド需要の消失、外出自粛などで大きな影響を受けた飲食業や宿泊業を含むサービス業他が2596件(前年比1.0%増)で最も多く、5年連続で前年を上回っている。
一方、巣ごもり需要の恩恵を受けた飲食料品小売業などの小売業は1054件(14.3%減)で、3年ぶりに前年を下回り、1991年以降の30年間で最少になった。
また、卸売業1065件(6.8%減)が8年連続、建設業1,247件(13.6%減)と製造業915件(10.6%減)、運輸業227件(10.6%減)、情報通信業279件(22.0%減)が2年ぶりに、それぞれ前年を下回った。
負債総額は、負債10億円以上の大型倒産が198件(前年185件)と増えたが、2019年のMT映像ディスプレイ(大阪・負債1033億2600万円)の反動もあってトータルで前年を下回り、50年間では1971年(7125億5400万円)に次ぐ、4番目の低水準だった。
上場企業倒産は、アパレル製品販売のレナウン(5月、東京、負債138億7900万円、民事再生法、東証1部)、コンテンツ事業などのNuts(9月、東京、同5億900万円、破産、JASDAQ)の2件が発生している。
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