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プロルート丸光/雇用調整助成金の不正受給発覚で会社更生法の適用申請

2023年12月06日 10:00 / 経営

帝国データバンクによると、総合衣料品前売現金問屋のプロルート丸光は、12月5日に大阪地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全管理命令、強制執行にかかる包括的禁止命令、保全処分命令及び調査命令を受けた。負債は債権者約990名に対し約27億300万円。

プロルート丸光は、1900年創業、1951年3月に法人改組された老舗の総合衣料品前売現金問屋。衣料品を中心として、靴、かばん、宝飾品、服飾雑貨、寝具・インテリア用品など幅広い商品を取り扱っていた。セルフサービス方式による店頭販売を基本とし、業界で初めてキャッシュレスタイプの小売店用仕入れカードシステムを開発。年売上高が500億円を突破した1987年には首都圏に進出し、翌1988年に株式を店頭登録。ピーク時の1992年3月期には年売上高約529億円を計上した。

しかし、バブル崩壊後の景気悪化で、経営が悪化。貿易部門を担っていた連結子会社で多額の不良債権が発生(その後、特別清算)したほか、中国の子会社についても撤退を決めたことで多額の損失計上を余儀なくされていた。その後も、アパレル業界全体の不振に加え、SPA業者の台頭、販売のECシフトが進むなか、売上高は減少傾向をたどり、2019年3月期には100億円を下回る水準まで低下。コロナ禍では得意先の営業自粛などの影響を受けてさらに売り上げが落ち込み、赤字額も拡大していた。

2023年4月には雇用調整助成金の不正受給が発覚。財務諸表の適正性にも疑義が生じるなか、10月には元会長と前社長が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで東京地検特捜部に逮捕される事態に発展していた。また、辞任した会計監査人の後任となる一時会計監査人の選任が進まず、四半期報告書の提出が困難になったことを受け、11月2日に東証が株式を監理銘柄(確認中)に指定した。動向が注目されるなか、会社更生法の手続に従って抜本的な財務・事業の再構築を目指すこととなった。

なお、現在も営業は継続中。スポンサー企業の募集手続きを開始しており、今後、早期にスポンサー企業を選定する予定だ。

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