青森県の百貨店「中三」/破産申請、負債9億円

2024年08月30日 17:21 / 経営

東京商工リサーチによると、青森県で百貨店を運営していた中三(青森県弘前市)は8月29日、青森地裁弘前支部へ破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。

負債総額は債権者278名に対して約9億円。

同社は、1896年6月、五所川原市で呉服店「中三」を創業し、中三呉服店として設立。以後、弘前店、青森店、盛岡店、秋田店を展開し、老舗百貨店として高い知名度を誇り、ピークとなる1998年8月期には約415億9200万円の売上高を計上していた。

しかし、大型ショッピングセンターとの競争激化に加え、景気低迷による個人消費の落ち込みなどで以降は減収基調をたどり、五所川原店と秋田店を相次いで閉店。また、2011年3月には盛岡店地下でガス爆発が発生し、同店の休業を余儀なくされた。自力での再建は困難として同年3月30日、青森地裁に民事再生法の適用を申請した。

同年7月には投資ファンドとスポンサー契約を締結し、民事再生計画の認可を受け、2015年2月に民事再生手続きが終結。2016年10月には、MiK(青森市)の傘下となり本格再建を進めていた。

近年は青森店と弘前店の2店舗での運営となっていたが、建物老朽化の問題もあり、2019年4月末青森店を一時閉店。その後も長引くコロナ禍の影響などもあって業績は落ち込み、2023年8月期の売上高は約17億2300万円にまで減少していた。

連続赤字から債務超過に陥り、資金繰りも逼迫(ひっぱく)するなかで、取引先への支払い遅延が伝えられるなど信用不安も広がり、これ以上の事業継続は困難として、今回の措置となったという。

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

経営 最新記事

一覧

百貨店(デパート)に関する最新ニュース

一覧

倒産に関する最新ニュース

一覧

破産に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧