ヤオコー 川野社長インタビュー(後編)/正社員・パート賃上げ継続、休みやすい環境づくりへ

2026年01月07日 10:00 / 経営

将来的にグループ売上高1兆円を目指すヤオコーは、経営環境の厳しさが増すスーパーマーケット業界で、いかに戦っていくのか。後編では、DX、積極的な賃上げ、SPAの開発方針などについて合同記者会見で川野澄人社長が語った内容を紹介する。

ヤオコー川野社長

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――デジタル活用について教えてください

働き手は減っていく一方で、人手不足は収まらない。その中で人を使う場合にはいかに付加価値を高められるか、あるいは逆に言うと付加価値の低い業務をいかにデジタルなど設備投資で補えるかが課題だ。

そこで、デジタル活用による省人化と働き方改革を進めている。

フルセルフレジ、デジタルプライサー、AIの自動発注を拡大。これらの導入を進めることで、レジ人員の削減など省人化できている。人件費単価は6%上がるという中で、生産性アップは避けて通れない。

――積極的な賃上げも実施していますね

賃上げは単年度のことではなく、少なくとも2030年まで続いていくと想定している。

正社員は賃上げはもちろん、長時間労働の削減も進めている。特に、有給の取得は、当社はまだまだ十分な取得率ではないので、休みやすい環境を作っていく。

育児休暇の取得も当たり前になってきている。より使いやすい、休みやすい、そのためのサポート体制を含めてこれから作っていきたい。

――パート時給のアップについて教えてください

2025年、パートナー(パート)時給は最大9%アップさせた。

総菜・鮮魚部門は、特別な技術が必要なため手当を付けるといった待遇改善を推進しているため、大きく伸びた。全体的には、6%強程度の時給アップとなった。

パートナーが定着し活躍する戦力になると、正社員の負荷がその分減る。それが、休みやすい環境整備につながる。

――SPAの開発方針について教えてください

店舗数が増えてきているので、250店舗、300店舗体制を見据え、既存の商品をどう製造していくのかキャパシティーが課題だ。

また、SPAが成り立つには単品大量生産できないと効果がないので、ある程度のボリュームを販売ができるように、カテゴリを組み立てることも重要となる。

2025年10月、おいしさを数値化する「おいしさLABO」を「ヤオコー東松山デリカ・生鮮センター」内に新設した。来期に向け、「おいしさLABO」の活用も含めてヤオコーの商品のおいしさを磨くこと、新しい商品を生み出していきたい。

――ヤオコーファームの取り組みは進んでいますか

ヤオコーファームは、東京近郊の消費地に近いところでの農業の1つモデルを作ろうということで取り組んでいる。

気候変動で苦労しながらも、黒字化の見込みが立ってきた。どう(生産を)増やすのかはこれからの課題だ。

また、農産物の安定供給確保のため、産地との連携を今後も深める。

当社は、農産物の産地直送比率が高いので、それぞれの地域の農協、農家とのコミュニケーションを重視している。

農家にとっても、安定的な販売ができ、われわれも安定的な仕入れができるという、そういう関係を一つ一つ作っていくことに尽きると思っている。

米不足の時も、当社は比較的米の販売ができたのも、農協との関係づくりを長く続けておかげもあったのではないか。

――2025年はブルーゾーンホールディングスを設立しました。将来的には売上高1兆円企業を目指していますが、これからの戦略を教えてください

ヤオコーは大方針として、年率5%ずつの成長を掲げている。

M&Aに頼らず、基本的にはオーガニックで5%ずつ伸ばしていきたい。ヤオコーだけでなく、グループ企業も同じ目標で進んでいる。

また、独自の強みを持って地域密着型でビジネス展開しており、そして経営や文化が合う企業があれば、ホールディングスに加わっていただくことも考えている。そういった仲間を増やすことも、引き続き取り組んでいきたい。

取材・執筆 鹿野島智子

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