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めん類市場/2017年度は9265億円に、「健康」「プレミアム」商品が人気

2018年05月17日 12:10 / トピックス

TPCマーケティングリサーチは、めん類市場について調査を実施、結果を発表した。

<めん類の分野別構成>
めん類の分野別構成

市販用のめん類市場は、2017年度で前年比1.8%増の9265億円となった。

同市場は、価格競争の激化、世帯構成人数の減少などにより、厳しい市場環境が続いている。このため各社は、リニューアルや新アイテムの投入による主力ブランドの強化、女性やシニアに対応した健康訴求商品の開発、積極的な販売促進策などに注力し、市場活性化を図っている。

分野別では、即席めんが構成比65.1%の6033.5億円で最大となった。

次いで、冷凍めんが同13.6%の1261.5億円、チルドめんが同13.3%の1233億円、乾めんが同4.3%の396億円、パスタが同3.7%の341億円で続いている。

即席めんは、前年比1.3%増となった。

特に、カップめんは、日清食品の「カップヌードル」をはじめ、「どん兵衛」、「U.F.O」、「ラ王」、東洋水産の「赤いきつね」、「緑のたぬき」、「昔ながら」などの基幹ブランドが堅調に推移。

さらに、健康訴求商品である日清食品の「カップヌードル ナイス」、サンヨー食品の「グリーンプレミアム」も売上増に寄与している。

冷凍めんは、同5.4%増となった。大手メーカーは、”大盛”、”プレミアム”、”健康”を切り口とした商品の拡販に注力している。

<種類別売上構成>
種類別売上構成

種類別では、ラーメンが構成比52.4%の4,853.5億円で最大となった。次いで、うどんが同15.6%の1,442.5億円、焼そばが同11.6%の1071億円、パスタが同11.0%の1019.5億円、日本そばが同4.7%の440億円、そうめんが同2.6%の241.5億円、ノンフラワーが同2.1%の197億円で続いている。

ラーメンは、前年比2.4%増となった。特に、カップめんは、日清食品の「カップヌードル」などの大型ブランドがプラス推移となっている。

また、「スーパーカップ」(エースコック)や「チャルメラ」(明星食品)などのロングセラー商品についても、好調に売上を伸ばしている。

うどんは、同1.2%増となった。冷凍うどんは、一食完結タイプの具付き麺が主婦の昼食や子供の食事ニーズを獲得し、好調に推移。また、「食塩ゼロ」、「糖質オフ」を訴求したうどんも、健康志向の強い中高年層の需要を捉え、順調に伸長している。

焼そばは、同0.6%増となった。即席焼そばでは、エースコックの「モッチッチ」が好調に推移。一方で、「一平ちゃん 夜店の焼そば」(明星食品)はやや伸び悩み、市場全体でみると微増となっている。

パスタは、同1.5%増となった。冷凍パスタは、日清フーズ、日本製粉、日清食品冷凍の大手3社が、”大盛”、”プレミアム”、”健康”を切り口とした商品の拡販に注力している。

<メーカー別シェア>
メーカー別シェア

調査対象メーカー12社の売上高は、全体の80.2%を占めている。メーカー別では、日清食品ホールディングスが構成比27.8%の2577.5億円で最大となった。次いで、東洋水産が同19.0%の1760億円、サンヨー食品が同6.8%の628.5億円、日清フーズが同5.5%の510.5億円、エースコックが同4.8%の444億円で続いている。

トップの日清食品ホールディングスは、前年比0.7%増となった。同社は、トップブランドである「カップヌードル」が新シリーズ「カップヌードル ナイス」を投入したことで売上を伸ばしたほか、「どん兵衛」「U.F.O.」「ラ王」「チキンラーメン」といったその他の主要ブランドも軒並み前年を上回っている。

東洋水産は、同0.7%増となった。即席めんでは、主力ブランドである「マルちゃん正麺」が伸び悩んだものの、「赤いきつね」、「緑のたぬき」、「昔ながら」の基幹ブランドが堅調に推移したことで、市場が拡大している。

サンヨー食品は、同3.1%増となった。要因としては、「サッポロ一番(袋)」ブランドの積極的なTVCMの投下や、「カップスター」ブランドの全品肉具材増量リニューアルなどにより、新たな消費者の取り込みに成功したことが挙げられる。

日清フーズは、同2.1%増となった。冷凍めんでは、「マ・マー」ブランドにおける新商品の投入と拡販が、売上拡大に寄与している。一方、乾めんは、特に「早ゆでスパゲッティ」が、時短、簡便ニーズを捉え好調に推移している。また、「ディ・チェコ」も輸入パスタの中で安定した売上を確保し、全体ではプラス推移となった。

エースコックは、同1.8%増となった。要因としては、主力ブランドである「スーパーカップ」が好調に推移したことが挙げられる。また、新ブランドの女性層をメインターゲットにした「モッチッチ」も売上増に寄与した。

■調査要覧
調査対象:市販用のめん類(即席めん・冷凍めん・チルドめん・乾めん(パスタ、他))
調査対象企業:日清食品ホールディングス、サンヨー食品、エースコック、明星食品、テーブルマーク、日清フーズ、日本製粉、キンレイ、シマダヤ、寿がきや食品
調査期間:2017年12月~2018年5月

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