花王/環境負荷を低減した水性インク開発、産業印刷分野に参入
2016年03月16日 13:30 / 経営
花王は3月16日、軟包装用フィルム基材への印刷に対して、VOCレス設計で環境負荷を低減した水性インクジェット用顔料インクの開発に成功し、産業印刷分野に新規参入する、と発表した。
シンク・ラボラトリーとの協業により、今回開発した水性顔料インクを用いて、ラインヘッド方式を採用した、高画質で高信頼性の軟包装用フィルム印刷を実用化できるインクジェット印刷システム技術を実現した。
シンク・ラボラトリー、精工との協業により、この水性インクジェット用顔料インクの技術は、有機溶剤による希釈が不要で高画質化を達成できるVOCレス設計で環境負荷を低減した水性グラビア印刷システムに展開できることを確認している。
花王テクノケミカル研究所は、これまでに独自に設計した機能性ポリマーでナノサイズの顔料を被覆した(顔料ナノ分散技術)、水性のインクジェットインク用色材(顔料分散液)を開発。
高い信頼性で高速・高画質印刷を可能にするインクジェット色材技術を追求して、研究開発を進めてきた。
この技術を応用し、軟包装用フィルム基材への印刷に対し、環境負荷を低減した水性インクジェット用顔料インクの開発に成功。高品質で環境負荷を低減した、軟包装用フィルム印刷物を提供することが実現できたという。
(VOCレス設計:印刷工程において排出されるVOC(揮発性有機化合物)が、(炭素換算で)700ppmC以下のものをVOCレスと定義)
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