厚労省/商業施設「換気の悪い密閉空間」を改善する換気方法
2020年04月09日 18:30 / 行政
厚生労働省は4月3日、クラスター対策の一環として、商業施設等における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気についてのリーフレットを改訂した。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、これまで集団感染が確認された場所で共通する、「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集していた」「近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた」という3つの条件が同時に重なった場合を示している。
新型コロナウイルス感染症厚生労働省対策本部では、この見解を踏まえ、リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するため、多数の人が利用する商業施設等においてどのような換気を行えば良いのかについて、有識者の意見を聴取しつつ、文献、国際機関の基準、国内法令基準等を考察し、推奨される換気の方法をまとめた。
基本的には、ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)における空気環境の調整に関する基準に適合していれば、必要換気量(一人あたり毎時30m3)を満たすことになり、「換気が悪い空間」には当てはまらないと考えられる。
このため、「機械換気(空気調和設備、機械換気設備)による方法」「窓の開放による方法」のいずれかの措置を講ずることを商業施設等の管理権原者に推奨する。
窓の開放による方法では、換気回数を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する)とすること。換気回数とは、部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数をいう。
また、空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開放すること。窓が一つしかない場合は、ドアを開けることとしている。
なお、「換気の悪い密閉空間」はリスク要因の一つに過ぎず、一人あたりの必要換気量を満たすだけで、感染を確実に予防できるということまで文献等で明らかになっているわけではないことに留意する必要がある。
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