流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





F&LC/9月期は国内スシロー事業苦戦で営業利益55.8%減

2022年11月04日 10:50 / 決算

あきんどスシローなどを展開するFOOD&LIFE COMPANIESが11月4日に発表した2022年9月期決算によると、売上高2813億100万円(前年同期比16.8%増)、営業利益101億2300万円(55.8%減)、税引前利益75億6400万円(65.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益36億700万円(72.6%減)となった。

<スシローの店舗>
スシローの店舗

国内スシロー事業の売上収益は2180億5800万円(2.3%増)、セグメント利益は88億2800万円(65.8%減)となった。国内スシロー事業では、6月に消費者庁より景品表示法に関する措置命令を受け、また同年7月には生ビールジョッキ半額の店内告知を一部店舗においてキャンペーン開始前に掲出するなど、お客の信頼を損ねる事態を招いた。今後は、同様の問題を起こさないために、コンプライアンスを遵守し、お客の声により耳を傾け、改善すべき点は徹底的に改善し、これまで以上にお客から愛される店作りを全社一丸となって追求し、お客の信頼回復に向けて取り組む。

まん延防止等重点措置が2022年3月に終了し、店内飲食は徐々に回復に向かった。国内スシローでは、「うまいすしを、腹いっぱい。うまいすしで、心も一杯。」を使命に、1984年の創業以来38年間続けてきた1皿100円(税抜き)のすしを提供し続けられるよう、食材の多様化や店舗でのIT化による効率化をはじめ、さまざまな施策を実施してきた。

その一方で、円安や水産資源の減少等による食材の調達コスト、物流費、地代、人件費、設備・建設資材の高騰など、飲食業を含めた事業会社を取り巻く環境の変化はこれまでに無いほど急激で大きなものがあり、10月1日から、国内におけるスシロー全店において、価格の改定を行った。

海外スシロー事業の売上収益は382億9800万円(125.5%増)、セグメント利益は21億9100万円(前期はセグメント損失12億800万円)となった。新型コロナによる飲食店への営業規制が各国・地域において続いたが、次第に緩和され、回復に向かった。そのような中、アフターコロナを見据えて、中国大陸においては、広州で7号店をオープンし、新たに深センにおいては1号店をオープンした。また、成都においても出店を計画している。その他の地域では、台湾+4店舗、香港+6店舗、シンガポール+2店舗、タイ+8店舗と、新規出店を継続した。

京樽事業の売上収益は214億1100万円、セグメント損失は30億2300万円となった。京樽ブランドでは、コロナ影響により、上期の売上回復は遅れたものの、マルチブランドのトライアルや、主要上方鮨および一部弁当商品の常温化(2022年9月)などの転換施策を継続的に実施した。今後、セントラルキッチンを更に活用し、商品ラインアップを拡げ、陳列方法を工夫することで、目新しさの演出を強化し、更なる客数改善を図る。

また、みさきブランドにおいても、上期のリブランディング後、コロナ影響による売上回復の遅れは見られたが、全店のグランドメニュー刷新や、新皿会計システムの導入など、転換施策を継続的に実施した。クイックに食事がしたいというお客の声に応える、特急レーンと職人カウンターの両方を兼ね備えたハイブリッド店舗も2022年9月にオープンした。お客の求めるサービスの更なる検証を進める。

来期は、売上高3200億円(13.8%増)、営業利益110億円(8.7%増)、税引前利益95億円(25.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益60億円(66.4%増)の見通し。

■F&LCの関連記事
F&LC/インドネシアに子会社設立、回転寿司事業を拡大

関連記事

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧