J.フロント 決算/3~5月増収増益、富裕層向け・インバウンド好調
2024年06月28日 15:59 / 決算
J.フロントリテイリングが6月28日に発表した2025年2月期第1四半期決算によると、売上収益1014億6900万円(前年同期比8.6%増)、営業利益161億3600万円(58.7%増)、税引前利益156億3100万円(57.5%増)、親会社に帰属する当期利益113億1600万円(76.9%増)となった。
インバウンド売上の増加など国内売上が堅調に推移し、増収増益を計上した。
百貨店事業の業績は、売上収益が前年同期比15.6%増の626億600万円、事業利益は118.6%増の106億2300万円、営業利益が130.6%増の103億8600万円となった。
店舗別では、インバウンド売り上げが引き続き好調であった心斎橋店や京都店などに加え、第1四半期より大きくインバウンド売り上げが伸長した名古屋店の売り上げが伸びている。ターミナル立地の梅田店の入店客数、売り上げも大きく改善したという。
基幹店を中心に前中期経営計画にて強化・リニューアルを実施したラグジュアリー・時計が、引き続き好調に推移。5月に開催した外商顧客向け催事では過去最高売り上げを更新するなど、富裕層マーケットを取り込んでいる。
また、冷凍グルメ宅配のサブスクリプションサービス「ラクリッチ」にて、従来の定期配送コースに加え、一度だけのお届けメニューを新たに加えるなど、会員数拡大のための施策を推進している。
SC事業は、売上収益が11.0%増の158億6800万円、事業利益は61.7%増の40億200万円、営業利益が25.7%増の39億5000万円。
前年度の改装効果、特にキャラクター雑貨などIPコンテンツショップの好調などによるテナント取扱高の増加に伴い、店舗賃貸借収入や宣伝費収入、販売手数料収入が伸長し、売上収益が増加した。
仙台PARCOはファッションやエンターテインメントの強化、広島PARCOではエリア唯一のショップ誘致をそれぞれ目的とした戦略改装を行った。
また、人気映画とコラボレーションした全店での販売促進企画を実施した。このほか、中期経営計画の重点戦略の一つである「コンテンツ事業の拡大」において、名古屋PARCOでは人気漫画に登場する飲食店をオープンし、集客と売上収益増に貢献している。
デベロッパー事業の業績は、売上収益が1.3%増の167億2600万円、事業利益は17.2%増の16億3800万円、営業利益が0.3%増の16億3200万円。
売上収益は、J.フロント建装のホテル内装工事の好調維持などにより増収となり、事業利益も増加した。営業利益は、前年の「(仮称)心斎橋プロジェクト」不動産所有持ち分の売却影響があったものの、増益を確保している。
決済・金融事業の業績は、売上収益は1.5%減の31億8800万円、事業利益が47.2%減の3億8600万円、営業利益は49.8%減の3億4400万円。
売上収益は取扱高増により加盟店手数料が増加した一方、付与ポイントの増加などに伴うポイント費売り上げ修正の増加もあり、減収となった。
販管費は、グループカードの集約化に向けた投資費用や人件費などが増加し、事業利益は減益となっている。
通期は、売上収益4245億円(4.3%増)、営業利益415億円(3.6%減)、税引前利益390億円(5.7%減)、親会社に帰属する当期利益265億円(11.4%減)を見込んでいる。
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