日本百貨店協会/9月の売上高は1.4%増、2カ月連続でプラス
2025年10月24日 16:04 / 月次
日本百貨店協会が2025年10月24日に発表した9月の全国百貨店売上高概況によると、全国の百貨店(調査対象70社・176店)の売上総額は約4288億円で、前年同月比1.4%増と2カ月連続で前年実績を上回った。
| 9月 | 実数 | 前年同月比 |
| 売上高総額 | 4288億円 | 1.4%増 |
| 総店舗面積 | 446万4610m2 | 1.1%減 |
9月は休日1日減のマイナス影響があったものの、国内売上が好調に推移したほか、インバウンド売上も前年並みの水準まで回復。各社企画の物産展などの食品催事や外国展、外商顧客向けイベントも奏功し、売上と集客に寄与した。
インバウンド(免税売上)は、売上高396億円(0.3%減/シェア9.2%)と7カ月連続のマイナスだが、マイナス幅は先月より4.4ポイント回復。化粧品を含む消耗品は、2カ月連続2桁増で推移。購買客数は46.3万人(2.8%増)で9月として過去最高を記録。中国、台湾は売上、購買客数ともにプラス。大阪は万博開催影響もあって好調。
一方、日本人顧客の購買を示す国内市場は1.6%増(シェア90.8%)と2カ月連続プラス。10都市は3.7%増と2カ月連続プラス。大阪は2桁増。地方は5.2%減で7地区すべてマイナス。
また、エリア別で見ると、都市(10都市)は5地区(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸)で対前年増。時計・宝飾等高額品好調で雑貨10.4%増と伸長。東京は一部店舗の改装影響が一巡し、8カ月ぶりにプラス転換。大阪は万博のほか、プロ野球の優勝セールも活況で9.1%増と伸長した。
地方(10都市以外の7地区)では、全地区マイナスとなった。猛暑や大雨などの天候不順や、催事開催時期の期ずれなどもあり入店客数3.3%減。食料品3.6%減と4カ月連続マイナス。
商品別では、主要5品目のうち雑貨、食料品の2品目がプラスとなった。
主力の衣料品は長引く残暑の影響で秋物季節商材の動きは鈍かったものの、中旬以降は気温低下により羽織物なども稼働。身のまわり品は外商顧客向け施策やインバウンドが回復傾向の店舗もあり堅調に推移。
雑貨は、化粧品が国内外共に好調だったほか、美術・宝飾・貴金属は10都市が売上をけん引し2桁増と好調だった。生鮮食品は価格高騰影響から依然低調。菓子は大阪が2桁増(23.9%増)と全体を押し上げ2カ月連続プラスだった。
なお、同日付で発表された9月の東京地区百貨店(12社22店)の売上高概況によると、売上高は約1289億円(2.5%増)で、8カ月ぶりのプラスとなった。
| 9月 | 実数 | 前年同月比 |
| 売上高総額 | 1289億円 | 2.5%増 |
| 総店舗面積 | 67万1365m2 | 0.1%減 |
| 総従業員数 | 1万2325人 | 2.2%減 |
休日1日減や長引く残暑などの影響で、入店客数は1.4%減であったものの、売上高は各社の得意客向け催事の開催時期ずれや、一部店舗の改装工事影響が一巡したことで、2.5%増と8カ月ぶりに前年実績を上回った。国内売上も、各社の販売・来店促進施策が奏功し、3.9%増とプラス転換した。
10月17日時点の東京地区の足元動向は、前年比3.3%増で推移している。
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