有隣堂/藤沢店の閉店まで2年間「これからの書店」企画展を開催
2025年10月29日 13:37 / 店舗
有隣堂は11月1日から2027年末までの約2年間、有隣堂 藤沢店(神奈川県藤沢市)にて、「これからの書店」をテーマにした企画展シリーズ「SAYONARA FESTIVAL」を開催する。
「有隣堂 藤沢店」は、1965年11月の開店。再開発事業に伴い2027年末をもって閉店する。売場はフジサワ名店ビルの2~5階に位置し、延床面積約1200m2。文芸書・実用書・専門書・雑誌に加え、文具・雑貨・児童書・学習参考書などを幅広く取り扱っている。
閉店までの約2年間を「お別れだけど、終わりじゃないのです。」を合言葉に、書店の未来を試す期間と位置づけた。
1~2カ月ごとにテーマを変えた展示・書籍販売・イベントを展開。「本との新しい関わり方」を社会に提案したい考え。
今回の企画展では、書店を「知を体験する場」へと進化させる。店舗全体を一冊の本に見立て、ページをめくるように歩きながら発見や気づきを得られるような店舗を目指す。
第1弾のテーマは「小さな絶滅展」。11月1日より国立科学博物館で開催される特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」と同時期に、地球上で過去5回発生したとされる大規模な生命絶滅の歴史を、書籍・資料・立体展示を通して紹介する。
「大絶滅展」関連書籍、図鑑、科学エッセーなどに加え、化石や恐竜フィギュア、絶滅動物の模型などを展示販売する。
また、フィルムカメラやアナログレコードなど、テクノロジーの進化のなかで忘れられつつある文化資源も「絶滅危惧的カルチャー」として展開。「便利さの裏で失われる価値」を問い直す場とし、アナログ体験を通じて文化的持続性を再評価するワークショップも開催予定だ。
さらに、Instagramアカウント「有隣どう?」を開設する。SNSを単なる情報発信の手段にとどめず、リアル店舗と連動した「デジタル上のもうひとつの書店」として運営する。
店頭での体験をSNS上で共有し、読者や参加者が感想や発見を交わすことで、書店を中心に「知のコミュニティー」を育むことを構想している。
閉店後もオンライン上でつながりを保つ仕組みを通じて、「本を介して人が集う場」の価値を広げる。時間と場所を越えて続く新しい読書体験を創出するという。
■有隣堂 藤沢店「小さな絶滅展」
期間:2025年11月1日~2026年1月4日
会場:有隣堂 藤沢店(神奈川県藤沢市南藤沢2-1-1フジサワ名店ビル2~5階)
内容:生物学的な絶滅と文化・風習の絶滅の両面から、書籍と雑貨で構成した考察・体験型のフェア
公式サイト:https://www.yurindo.co.jp/store/fujisawa/other/
Instagram「有隣どう?」:https://www.instagram.com/yurindo_community/
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