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国分グループ本社/12月期は減収も経常利益1.5%増

2021年03月03日 10:00 / 決算

国分グループ本社が3月3日に発表した2020年12月期決算によると、連結業績は、売上高1兆8479億2700万円(前年比2.3%減)、経常利益102億2300万円(1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益57億8500万円(82.7%増)となった。

売上高の内訳は、食品1兆1849億8400万円(0.8%増)、酒類5736億3200万円(7.2%減)、その他893億1000万円(8.6%減)だった。

<決算会見>
決算会見

売上高が急減したチャネルにおいては、運営体制を見直し損益分岐点を下げる取り組みをした。既存チャネルでは引き続き収益改善活動をつづけた。そのため、減収に伴うマイナス影響をカバーした。

コロナ禍で業務用・フードサービスチャネルでの経常利益の減益要因を22億円と見積もっている。一方、収益改善活動でプラス11億円、活動費などの削減でプラス9億円など収益の引き上げをした結果、増益を確保した。

2020年は、世界規模で拡大する新型コロナウイルスにより、全世界の社会経済活動が大幅に制限された。繰り返し訪れる感染の波で、世界経済はここ数年の中で、最も厳しいものとなり、オリンピック・パラリンピックで活気づくはずの日本経済も一転した。

外出を控える動きや3密を避ける行動により、巣ごもり消費が伸びた一方、外食・レジャー関連などの需要は大きく落ち込んだ。インバウンド市場のシェアが高い業態や商品は苦戦し、大手小売業であっても店舗立地によって業績が左右された。わずか数カ月間での環境の激変に、どの企業も対応に翻弄された。

コロナ禍という、かつて経験したことのない環境の中、食品流通業界は、感染防止策の徹底と万一に備えたBCP体制を確立し、製・配・販の連携により、食のインフラは大きな混乱もなく、機能を果たした。卸売業として、感染のリスクの中にあっても、商品供給をはじめとする食のインフラ機能を途絶えることなく、提供した。

国分グループの2020年は、第10次長期経営計画最終年度であると同時に、第11次長期経営計画策定の年であった。これはグループにとって、大きなアドバンテージとなり、コロナ禍で変わる世の中に対応した経営計画として策定できた。

6月に公募を開始した「国分グループアクセラレーター2020」では、スタートアップ企業から、100を超える提案が集まり、複数のプロジェクトが動き出した。9月には国分グループに流れる帳目の精神を、SDGsの考え方とすり合わせ、「SDGsステートメント」を策定し、公表した。

また、「SDGsステートメント」策定を機に、企業理念のサブワードを「私たちは、食を通じてこころ豊かなくらしをお届けします。」から、SDGsステートメントの「300年間紡いだ商いを、次世代に繋げていく。私たちは食を通じて世界の人々の幸せと笑顔を創造します。」に置き換え、SDGsの取り組みを経営に統合させた。

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