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イオン/3~5月営業収益、経常利益が過去最高を更新

2021年07月07日 15:10 / 決算

イオンが7月7日に発表した2022年2月期第1四半期決算によると、営業収益2兆1532億1500万円(前年同期比3.7%増)、営業利益391億8300万円(前年同期は125億5200万円の損失)、経常利益403億6500万円(前年同期は160億7200万円の損失)、親会社に帰属する当期利益50億100万円(前年同期は539億7300万円の損失)となった。

営業収益、経常利益は過去最高を更新。営業利益も過去最高に次ぐ水準へ回復した。四半期純利益は589億円の大幅増益で第1四半期としては、3期ぶりの黒字へ転換となっている。

緊急事態宣言により⼀部施設で営業休止・時間短縮を実施する中、利益水準はほぼコロナ前水準となった。宣言解除、ワクチン接種拡大などの外部環境改善が今後の後押しになると見ている。

前年同期にコロナ禍の影響を受けたGMS、総合金融、サービス・専門店、ディベロッパー、国際の5事業が増益。前年同期に強い食品需要があったSMは反動減も、2019年度対比では増益だった。

GMS事業は、営業収益7564億3400万円(7.1%増)、営業損失72億8400万円(前年同期より256億8300万円の改善)。

売上、売上総利益率、テナント収入の回復が寄与し大幅な損益改善となっている。

イオンリテールは、コロナ下で生まれた需要の取り込みを継続して推進。需要が拡大しているネットスーパーについては、ネットスーパー独自商品の予約販売の強化、生鮮商品を中心に品切れを削減するためのシステム改修、午前便の拡充や配送枠数の拡大に取り組み16.0%増と、売上高は引き続き伸長した。

商品別では、外出自粛に伴う生活者の在宅需要をとらえ、農産、水産、畜産の生鮮3部門とリカー部門の既存店売上高が、コロナの影響がなかった2020年2月期第1四半期連結累計期間対比で、それぞれ約6%~8%増の伸びとなっている。母の日ギフトが好調だったガーデニング・グリナリー部門は既存店売上高前年同期比15.8%増、おいしくて簡便な食事ニーズに対応したデリカ部門も12.1%増と好調に推移し、結果、食品部門合計の売上高は、コロナの影響がなかった2020年2月期第1四半期連結累計期間を上回った。

また、重点カテゴリーであるウォーキング、おうちフィットネス関連商品を提供するショップ「スポージアム」の既存店売上高が前年同期比49.4%増と大きく増加。予約会を中心に早期に売り込んだランドセルも既存店売上高前年同期比139.6%増、コロナの影響がなかった2020年2月期第1四半期連結累計期間対比39.4%増と伸長した。加えて、3店舗の新規出店と12店舗の既存店活性化を実施し、これらの取り組みの結果、大きく損益が改善した。

イオン北海道はGMS2店舗、SM3店舗、DS(ディスカウントストア)1店舗の計6店舗で大型活性化を行った。ネットスーパーも強化しており、売上高は15.2%増となっている。全体でも増収増益となった。

2020年9月にマックスバリュ九州、イオンストア九州と合併したイオン九州は、「食の強化」「非食品分野の専門化」の実現に向けた施策の実行、生活様式の変化に対応した商品やサービスの提供に努めた結果、増収増益となっている。

SM事業は営業収益6794億200万円(10.0%減)、営業利益52億2500万円(68.5%減)。DS事業は営業収益976億4000万円(6.4%減)、営業利益4億6100万円(71.8%減)。

マックスバリュ東海は、「個食」「内食」といったコロナ下における消費需要や購買動向に応じた売場展開を継続するとともに、購買頻度の高い商品の価格戦略、トップバリュの展開強化、同社専用アプリからの割引クーポンの配信など、根強い節約志向への対応に取り組んだ。

マックスバリュ西日本は3月、子会社のマルナカ、山陽マルナカと合併し、新生マックスバリュ西日本となった。産地や漁港からの直接配送など、自らが原料を調達、製造、販売を行うサプライチェーン改革に取り組むため、6月に岡山総合プロセスセンターを着工した。同社は、顧客とともに歩み続ける中四国・兵庫エリアのリージョナルスーパーマーケットを目指す。

DS事業の確立と成長に向けて、グループ内DS事業の集約を推進している。2019年にはSM地域統合の一環として、マックスバリュ東海とマックスバリュ中部が保有するDS事業をイオンビッグが承継し、さらに6月、イオンビッグとマックスバリュ長野が合併し、DS事業の集約を図った。3月には、首都圏における小型DS事業のドミナンスを加速し新たな成長戦略を築くことを目的に、ビッグ・エーとアコレが経営統合している。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益2501億4400万円(6.7%増)、営業利益70億3000万円(29.4%減)。ウエルシアホールディングスは前年のマスク需要の反動などがあったものの、調剤併設型店舗・新規出店の増加でカバーした。

総合金融事業は、営業収益1232億8000万円(12.0%増)、営業利益220億4000万円(前年同期より227億700万円の増益)。

イオンフィナンシャルサービスは、コロナ下において、デジタル化対応を推進し、非対面営業や審査・回収部門における体制を強化した。イオン銀行は、住宅ローンにおいて、Webから申込、電話、郵送を活用し、顧客が自宅で契約を完結できる取り組みを推進している。

ディベロッパー事業は、営業収益885億3700万円(39.7%増)、営業利益108億1700万円(275.1%増)。

イオンモールでは、中国事業において、第1四半期連結累計期間の既存21モールの専門店売上高は前年同期比231.5%増と大きく伸長し、業績回復をけん引している。

サービス・専門店事業は、営業収益1703億4000万円(27.9%増)、営業損失11億1300万円(前年同期より107億9400万円の改善)。

イオンディライトは、施設における換気改善を目的に、新たに「ネットワーク型CO2濃度モニターシステム」をメーカーと共同開発し、複数の施設へ導入した。イオンファンタジーは、緊急事態宣言等が適用された地域において臨時休業や営業時間短縮を実施した影響があったが、対象地域以外の店舗の売上は順調に回復しており、大幅な増収増益となっている。

国際事業は、営業収益1101億6900万円(7.4%減)、営業利益21億5100万円(50.1%増)。

マレーシア事業は食品の品ぞろえを見直し、生鮮・冷凍食品の売場を拡大するなど内食需要の高まりに対応。ベトナム事業では、贈り物用竹かごのハンパーやアオザイなどのテト(旧正月)準備商品の計画的な早期販売などに取り組んだ。その後の政府規制緩和に伴い業績は回復し、第1四半期連結累計期間は増収となり、黒字を確保した。中国事業も、前年の食品の急激な需要拡大の反動があったものの中国エリアの損益は改善しているという。

通期は、営業収益8兆6200億円(0.2%増)、営業利益2000億円~2200億円(32.8%増~46.1%増)、経常利益1900億円~2100億円(36.9%~51.3%増)、親会社に帰属する当期純利益200億円~300億円(前期は710億円の当期損失)を見込んでいる。

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