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くら寿司/10月期営業損失26億円、海外事業が苦戦

2021年12月07日 11:00 / 決算

くらコーポレーションが12月7日に発表した2021年10月期決算によると、売上高1475億9200万円(前年同期比8.7%増)、営業損失26億7800万円(前期は3億5000万円の利益)、経常利益31億7400万円(179.5%増)、親会社に帰属する当期利益19億100万円(前期は2億6200万円の損失)となった。

売上高は過去最高となっている。

日本事業は、売上高は1315億6200万円(6.8%増)、経常利益44億5100万円となり当該連結会計期間の日本における売上高は過去最高を更新した。

2011年に導入した会話による飛沫などの菌やウイルスから寿司と皿を守る、同社特許取得済みの抗菌寿司カバー『鮮度くん』を含め、入店から退店まで顧客が従業員と接することなく飲食できるセルフ会計、セルフレジを備えた「スマートくら寿司」への積極的な投資を行い、2021年10月には国内ほぼ全店に導入を完了した。

また、漁業の持続的な発展に資するため、日本で初めて飼料製造から養殖、製品加工までの生産プロセスを管理し、第三者機関から有機水産物認証を受けた「オーガニックはまち」の養殖を開始した。

「スマートくら寿司」などの感染症対策への高い評価もあり、当連結会計年度の既存店売上高がコロナ前の2019年10月期比で100.4%とコロナ前の水準を回復。緊急事態宣言が解除された10月以降は営業制限の緩和に伴い売上は回復基調にあるという。

北米事業は売上高69億5100万円(42.5%増)、経常損失10億7900万円。全米のレストランの座席制限規制が撤廃され、16店舗を展開するカリフォルニア州における50%の座席制限も撤廃された。コロナにより閉店した飲食店も多く、通常営業再開後は既存店売上高も特にカリフォルニア州やテキサス州においてコロナ前を上回るなど順調な回復となっている。

アジア事業は売上高は90億7700万円(16.4%増)と過去最高を更新いたしました。経常損益は店内飲食禁止の影響により1億3600万円の損失となった。

台湾子会社(KSA)は、2021年5月にコロナ感染症が拡大し、5月21日に全台湾を対象に4段階ある警戒レベルの上から2番目の「警戒レベル第3級」が発令され、7月末までの約2カ月半、飲食店における店内飲食が禁止された。その後売上は急速に回復しているという。

店舗開発は、日本30店舗、米国7店舗、台湾11店舗に新規出店し、新型コロナウイルス感染症拡大の環境下ではあったが、収束後を見据え、都市部を中心に積極的な出店を継続し、グループ全体で48店舗の新規出店を行った。これにより、10月末の店舗数は、全て直営で567店舗(「無添蔵」4店舗、くら天然魚市場1店舗、米国32店舗、台湾40店舗を含む)。

設備投資としては、新規出店に伴う造作設備などに100億2300万円、既存店舗の設備等に19億3100万円、その他5億1700万円、合計124億7200万円となり、前連結会計年度の94億300万円を大きく上回っている。

次期は、売上高1888億6900万円(28.0%増)、営業利益28億2700万円、経常利益49億5500万円(56.1%増)、親会社に帰属する当期利益28億7800万円(51.4%増)を見込んでいる。

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