アダストリア 決算/3~5月、アパレル・雑貨好調も販管費上昇で増収減益

2024年07月01日 13:19 / 決算

アダストリアが6月28日に発表した2025年2月期第1四半期決算は、売上高740億100万円(前年同期比8.1%増)、営業利益60億1400万円(4.2%減)、経常利益62億8800万円(1.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益44億500万円(1.3%減)となった。

<アダストリア>
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収益面では、円安による負の影響がある中、「適時・適価・適量」の商品提供による在庫コントロールと値引き販売の抑制、商品の高付加価値化、商品の価格見直しを継続し、売上総利益率の改善を図ったが、卸売事業を含むBtoB事業の構成比が上がったことによる押し下げ効果もあり、アパレル・雑貨関連事業の売上総利益率は前年同期から低下した。その他(飲食事業)では、商品価格の見直しや原価低減努力などで売上総利益率が若干改善したが、連結での売上総利益率は56.2%となり、0.9ポイント悪化した。

販売費・一般管理費は、従業員の処遇改善や売上高の伸長により、人件費、店舗家賃、配送料などが増加し、販管費率は48.1%と前年同期比0.2ポイント上昇した。以上の結果、営業利益率は1.1ポイント減の8.1%となり、営業利益は4.2%の減益となった。また、為替差益2億1600万円を営業外収益に、店舗の減損損失3900万円を特別損失に計上した。

アパレル・雑貨関連事業は、国内売上高は3月の低気温による一時的な減速感はあったものの、その後は天候に恵まれ、外出需要やカジュアルファッションの底堅い推移に加え、トレンドを捉えた商品展開やヒット商品の育成、TVCMやポイント還元などのプロモーションの結果、前年同期比7.1%の増収となった。

デジタル戦略として、自社EC「ドットエスティ」とリアル店舗を連動させたプロモーション施策や、人気アーティストやキャラクターとのコラボ商品などの集客施策を継続的に行ったことで、自社EC/ポイント制度の会員数は前期末比70万人増の1820万人に伸長した。

海外売上高(円換算)は、台湾と香港ではマルチブランド戦略によるリアル店舗とECの好調により、それぞれ40.6%、39.9%の増収となった。中国大陸では不動産不況や消費低迷などの影響はあったもののECが好調に推移し、前年同期比7.5%の増収だった。米国では卸売事業の不振により5.4%の減収となった。また、タイは前第2四半期から事業を開始したため第1四半期は純増となり、海外事業全体では18.6%の増収となった。

その他(飲食事業)の売上高は、外食産業における原材料価格や光熱費の上昇、人手不足など厳しい経営環境が続いたが、外食需要の増加や新規出店、海外事業の好調により、11.2%の増収だったが、セグメント損失は3億8400万円(前年同期はセグメント損失2億2700万円)と拡大した。

通期は、売上高2900億円(5.2%増)、営業利益190億円(5.5%増)、経常利益190億円(3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益127億円(6.0%減)の見通し。

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