ABCマート 決算/3~8月、SNS中心に販促・インバウンド需要取り込み増収増益
2024年10月15日 17:41 / 決算
エービーシー・マート(ABCマート)が10月9日に発表した2025年2月期第2四半期(中間期)決算によると、売上高1883億8000万円(前年同期比11.2%増)、営業利益340億5000万円(16.1%増)、経常利益351億2100万円(14.8%増)、親会社に帰属する当期利益241億4300万円(14.7%増)となった。
シューズ業界では、商品価格の上昇により、お客の選別はより厳しいものになっているが、実需に強い商品やトレンド商品など付加価値の高い商品は需要が増加している。商品トレンドは、新作スニーカーやトレンドのスポーツサンダルを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、旅行やレジャーの他、普段使いもできるファッションの需要が拡大している。
このような状況下、グループは、デジタルインフラの活用、グランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズとスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充で対応した。店舗展開は、上半期に国内外合わせて34店舗の新規出店をした。中間期末におけるグループの店舗数は1496店舗となった。
国内売上高は10.0%増の1312億4200万円、セグメント利益は16.6%増の283億4300万円だった。国内店舗の売上高増収率は、都市部路面店や商業施設における販売が好調だったことから、既存店で12.7%増、全店で12.9%増となった。グランドステージ業態の拡大等により客単価が7%上昇し、インバウンドも増加したことが要因となる。
販売戦略では、SNSを中心とした販売促進活動を通じて、国内需要やインバウンド需要の取り込みを強化し、付加価値の高いスニーカーやトレンドのスポーツサンダル、また取り扱い品目を拡大したアパレルの販売に注力した。
店舗展開は、郊外のショッピングセンターを中心に23店舗を新規出店した。また、施設の閉館に伴う閉店と業態変更を伴うスクラップアンドビルドにより16店舗を閉店した。期末の国内店舗数は1102店舗となり、引き続き「GRANDSTAGE」「ABC-MART SPORTS」の出店を拡大した。
既存店は、改装を31店舗で実施し、このうち増床改装は19店舗、業態変更は25店舗、2バナー以上の複合業態への転換は26店舗となった。これらの結果、「GRANDSTAGE」は103店舗、「ABC-MART SPORTS」は120店舗、複合業態店舗数は119店舗に増加した。
海外売上高は13.9%増の577億8200万円、セグメント利益は14.8%増の57億3100万円となった。韓国においてグランドステージの出店拡大により販売が好調だった。為替は円安が大きく進行し、韓国の売上高は15.0%増の367億400万円、台湾の売上高は5.0%増の61億6200万円だった。米国は、インフレの長期化で個人消費は弱いものの、セール等により在庫の消化に努めたことから、米国の売上高は13.9%増の146億4300万円となった。ベトナムは、連結業績へ与える影響は軽微だった。なお、海外連結子会社はいずれも12月決算となっている。
通期は、売上高3715億円(7.9%増)、営業利益618億円(11.0%増)、経常利益633億円(9.5%増)、親会社に帰属する当期利益432億円(8.0%増)を見込んでいる。
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