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スシロー/水留社長が語る「強さの秘密」(前編・ぶれない寿司へのこだわり)

2018年02月09日 16:20 / 流通最前線トップインタビュー

■ビジネスモデルの基本は、売上、原価、労務費の管理

――現場レベルで守る数字として何を重視していますか。

水留 スシローのビジネスモデルはシンプルで、売上があって、原価があって、労務費がある。その三つが一番大事なところです。もちろん販管費もありまけど、家賃は毎月変わるわけではないから、水道光熱費だとか細かい項目もあるんだけどね。

一番は売上がしっかりあることが大切で、また、原価が低くなりすぎてもいけない。50%近い、我々がある程度、設計している原価率はしっかりと使わなければいけない。労務費も低くなりすぎると、当然、店舗で働いている従業員にしわ寄せがいっているので、低すぎてもいけない。もちろん超えてもいけない。そこは、店長、課長がしっかりとコントロールできていれば、大きく数字はぶれない。

<スシローの郊外型店舗>
スシローの郊外型店舗

――店長のマネジメント力というのは、水留社長が就任した時には確立していましたか。

水留 どうですかね。どちらかというとルールを守るというところは、随分と強制をされているようなところがありましたけども、個性を出すというところは、どちらかというと失いかけてたかなと思います。

――個性をなくした原因は、投資ファンドのペルミラの意向ですか。

水留 そうではありません。ペルミラは個性をなくせとは言わないから。どちらかというと、コントロールをしようとすると、個性が邪魔になるんですよ。だから、コントロールが強いマネジメントをしようとする時は、そうなる。私が入る前の経営陣が、統制を効かせる方向に少し振ってたのかなと思いますね。

――コントロールすべき時期であったということですか。

水留 コントロールする時期でもあったし、やっぱり、利益を安定的に、着実に出すことを求められると、そちらに走りがちになるという感じですかね。

――数字以外にマネジメントで守らせるところは。

水留 いっぱいあるんですよ。例えば、うちでいうと衛生というのはすごく大事で、品質管理のチームとかも、実際にお店にいって確認、チェックをしますけど、手洗いの確認であるとか、いろいろ衛生面の確認というのは大事です。店長の評価なんかも、衛生面を重視していて、衛生面が守られていないと、評価が下がるといった仕組みも入っている。

あとは人が定着するというのが非常に大事なので、アルバイトやパートのスタッフの離職率がどうだとか、実際に何人くらいしっかりと働いてもらえているのかとか、そういう人の部分も大事な指標として追っかけている。

――店長の評価で、お客様の声はどう生かしていますか。

もう1年以上たちますけど、お客様からの声というのも非常に大事なので、いまスシローを利用いただくとレシートの下にQRコードがあって、アンケートにお答えいただいている。回答するとちょっとしたインセンティブがもらえるものですが、何万というフィードバックがくるわけですよ。そこは店ごとにトレースして、それをひとつの店長や課長たちのKPI(重要業績評価指標)のようにとらえている。

やっぱりお客様がきちんと満足をしながら、売上をとり、コストを守り、利益を出す。シンプルにそういうことですよね。別にすごいマジックがあるわけでなくて、普通に考えたら、分かることをちゃんとやり続ける。

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