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ライフ/キャッシュレス化40%達成、岩崎社長が語る成長戦略

2018年12月21日 16:00 / 流通最前線トップインタビュー

2018年3月からライフコーポレーションは、「2021年度売上高8000億円、経常利益200億円」を目標とする第6次中期経営計画を開始した。今回、岩崎高治社長に、第6次中期経営計画の進捗と中計のキーワード「おいしい、ワクワク、ハッピー」を実現する店づくり、キャッシュレス化など今後の戦略を聞いた。

<岩崎高治社長>
岩崎高治社長

――第6次中期経営計画1年目の状況をどう感じていますか。

岩崎 数字的には、人、商品に積極的に投資したため、2019年2月期通期の営業利益、経常利益は減益となる見込みですが、既存店売上高でみると、第1四半期前年同期比0.7%増、第2四半期3.5%増、9月~11月が1.7%増ですので、全体的にはまずまずだとみています。

2018年は、第6中計の初年度として、ライフらしさ宣言「今日も見つかる、新しいLife」、「おいしい、ワクワク、ハッピー」な店づくりを、社内の従業員に浸透させていく1年でした。

――好調の要因を教えてください。

岩崎 一つは、出店・改装による店舗の強化です。スクラップ&ビルドを含め、上期7店、下期3店の新店を出店します。2月には桜新町(東京都世田谷区)に新しいMDを強化した店を出店予定で、今期合計11店の新店を予定しています。既存店の改装で、よりお客様のニーズに応えた店づくりも進めています。

上期は6店舗で合計15億円投資、下期は4店舗で合計15億円の投資を実施します。11月には、通常のライフだったなんば店(大阪市浪速区)を「セントラルスクエア」に業態転換しています。

<11月に出店したムスブ田町店(東京都港区)>
11月に出店したムスブ田町店

――セントラルスクエアと通常のライフの違いとは。

岩崎 セントラルスクエアは、「日々のお買い物を、便利から、楽しいへ。」をコンセプトに、高感度な情報発信を行う店舗です。もともとは、大阪で自社競合が激しいので、従来のお客様と違った層にいらしてほしいと作った業態ですが、地域ニーズに合わせて転換しています。現在5店舗になりました。

「セントラルスクエア押上駅前店」(東京都墨田区)は好評で、サントリーさんから聞いたお話ですが、現在、サントリーの人気商品「ボスラテベース」を日本で一番売っている店だそうです。

「セントラルスクエアなんば店」は、JR難波と地下鉄なんば駅を下車してすぐの好立地で、チラシを見てくるお客様より、この店を気に入って来てくれる方が多く、特売構成比率が低い。チラシも週1回の配布で十分とみています。

今後も、セントラルスクエアにするかどうかは、地域ニーズとチラシのオペレーションを考慮し判断します。

<大阪に出店したオーガニックに着目した新業態ビオラル>
ビオラル

――2016年出店した新業態「ビオラル」の現況について教えてください。

岩崎 ビオラル(大阪市西区)は、今春TVで取り上げられ、売上が前年比20%増くらいに伸びていますが、黒字化はまだ。今年、大阪の丸井に期間限定店舗を出店し、好評を得ており、さまざまな所から出店依頼が来るようになりました。

しかし、多店舗展開の前に、店舗としての型を作ることを重視しています。今の店の売上を2~3割伸ばして、黒字化することを優先したい。

――第6次中計の出店数を下方修正したのはなぜでしょうか。

岩崎 第6次中計では、当初予定の400店体制を取り下げ、320店程度の出店を目指します。1店舗当たりの売上を増やしていくことで、2021年度売上高8000億円を達成します。

半径1キロのシェアを徹底的に上げるのが、当社の戦略。首都圏(東京23区、横浜、川崎など)・近畿圏(大阪市、神戸市、京都市)で、足元を固めるのが先決だと考えています。

大阪では環状線内、東京でいえば山手線内が強化エリアです。第6次中計中に、山手線内に数店出店予定です。

建築コストも上がっており、出店しても投資回収が遅い、またはできないという案件もあり、あきらめることもありました。

<ネットスーパートップページ>
ネットスーパー

――ネットスーパーの導入は強化しますか。

岩崎 現在60店舗でネットスーパーを導入し、2018年は15店舗で開始、黒字化している店もあります。しかし、現場の人手不足で、ピッキング、配送のコストがかかってしまう。ニーズは高いものの、無理に広げず、導入店舗の黒字化を優先します。

半径1キロのシェアを上げ、お客様の利便性を向上させるためにもネットスーパーは重要です。雨の日でも、育児や介護で物理的な店に来れないお客様に買物の方法を提案するという意味でも、重視しています。

また、ネットスーパーの利用者がネットに移行し、実店舗を利用しなくなるのではなく、ネットと店舗両方ご利用いただくようになり、トータルでシェアが上がるというデータも出ています。

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