アサヒビール/業務用555mlジョッキ提案好調、2019年ビール類2.2%増目標
2019年01月08日 16:20 / 商品
アサヒビールは1月8日、都内で2019年事業方針説明会を開催し、2019年のビール類の販売目標を1億5050万ケース(前年比2.2%増)と発表した。1ケースは大びん633ml×20本換算。
平野伸一社長は、「業務用市場で、アサヒビールオリジナル東京2020オリンピック555mlジョッキを投入し、樽・びんの売上が好調となっている。2018年は酒税法改正に伴う価格改定の反動減などを見込みマイナス予算を組んだが、2019年はアサヒビールが先頭に立ってビール市場を活性化し、ビール市場を拡大したい」と述べた。
主力のビールは9480万ケース(1.4%増)、うち「スーパードライ」は9220万ケース(1.5%増)、新ジャンルは4210万ケース(5.8%増)、うち「クリアアサヒ」は3300万ケース(0.7%増)、発泡酒1360万ケース(2.2%減)、うち「スタイルフリー」1250万ケース(0.6%減)を目標とする。
2018年の実績は、ビール9350万ケース(6.5%減)、うち「スーパードライ」9085万ケース(7.2%減)、新ジャンル3980万ケース(7.4%減)、うち「クリアアサヒ」3276万ケース(8.6%減)、発泡酒1390万ケース(7.3%減)、うち「スタイルフリー」1257万ケース(5.8%減)、ビール類総計1億4720万ケース(6.8%減)だった。
平野社長は、「スーパードライの売上は家庭用の缶が半分、業務用の樽・びんが半分でここ数年は業務用の落ち込みが大きかった。業務用をテコ入れするために、既存の取引先が展開する既存店のてこ入れが必要だと考え、555mlジョッキを提案した」
「いろいろ調査すると8割の人は1杯目はビールが飲みたいと答える。ただほとんどのジョッキは360mlで量が少なくお客様は満足していない。そこで555mlジョッキを提案している。ビールはつまみのとの相性も良く、つまみの注文も増え、既存店の活性化につながっている」と語る。
東京2020オリンピック競技大会のエンブレムを記載した555mlジョッキの提案は、2017年から開始し2018年1月から6月までの採用店数は約200店(累計500店)だった。
東京2020オリンピックの開催まで2年をきった7月以降から採用店数が増加し、9月末で当初の年間目標1万店を超え、11月には4万店、直近では5万4000店が採用している。2019年中には10万店での採用を目指す。
平野社長は、「オリンピックのエンブレムには人を高揚させる力がある。日本人のお客様だけでなく、外国人の方にも好評で、オリンピックに向けて555mlジョッキをさらに訴求していきたい。既存店の活性化策として自信が出てきており、今は自信が確信になりつつある」と手ごたえを解説した。
外食チェーンの中にはビールの売上が15%増加したチェーンもあり、採用店舗は順調に増加しているという。
新ジャンルでは、主力の「クリアアサヒ」に「磨き抜いた 麦の味」をブランドメッセージに据えて、2019年2月中旬以降、順次、クオリティアップを図る。
新ブランド「アサヒ 極上<キレ味>」を1月29日に発売し、シャープなキレと麦100%の飲みごたえを提案する。
洋酒は、2018年に過去最大の約372万箱を販売した「ブラックニッカ」ブランド、発売57年を迎えるニッカを代表するロングセラー商品「スーパーニッカ」、輸入ウイスキーの主力商品「ジャック ダニエル」、「アーリータイムズ」を中心にブランド強化を図る。
ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所の創業50周年を記念した数量限定商品の発売を予定しており、ニッカブランドの価値向上に向けた取り組みを推進する。
一方、世界的なリキュールブランド「カンパリ」、「ボルス」は、業態に合わせたさまざまな飲用シーンの提案を通じてユーザーの拡大を目指す。
ワインは、輸入ワイン市場売上No.1ブランド「サンタ・ヘレナ・アルパカ」ブランドのさらなる強化とともに、日欧EPAの発効により市場拡大が期待される欧州産ワインにおいて、一部商品の価格改定を実施、さらに取り扱いブランドを拡充する。
日本ワインなどでは「東京2020大会エンブレム」をデザインしたラベルの展開や「酸化防止剤無添加のやさしいワイン」を3月12日に発売するなど、ラインアップ拡充を通じて、プレゼンスの拡大を図る。
引き続きグループ各社との協業を進め、ワイン事業全体の強化を図る。
RTDは、「ウィルキンソンRTD」「アサヒもぎたて」「贅沢搾り」を中心に伸長を続けるRTD市場におけるプレゼンス拡大を目指す。「ウィルキンソン・ハード」「贅沢搾り」については、中身・パッケージのリニューアルを実施し、さらなる認知向上と売上拡大に取り組む。
焼酎は、焼酎甲類乙類混和売上No.1ブランド「かのか」の季節限定デザイン商品や味わいの異なる期間限定商品の発売と幅広い飲み方提案により、さらなる混和焼酎ユーザーの拡大を目指す。
乙類焼酎は、引き続き「本格芋焼酎 金黒」を重点ブランドとし、飲食店及び店頭において認知と飲用経験者の拡大を目指し販促を強化する。
アルコールテイスト清涼飲料は、2018年に過去最大の791万箱を販売したノンアルコールビールテイスト飲料市場売上No.1ブランド「アサヒ ドライゼロ」を中心にブランド強化を図る。
サワーテイスト清涼飲料「アサヒスタイルバランス」は、お客の多様なニーズに対応するため引き続き店頭でのブランド訴求に注力する。
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