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イオンリテール/衣料品SPA強化で「TVC」に刷新、29年2月期売上10倍目指す

2024年03月08日 14:08 / 商品

イオンリテールは今春、衣料品のレディスカジュアル・メンズカジュアル部門を子会社のトップバリュコレクションへ移管・統合し、デイリーカジュアルを強化する。

<衣料品のデイリーカジュアルを刷新>
衣料品のデイリーカジュアルを刷新
※左からイオンリテール井出社長、トップバリュコレクションの小田嶋社長

イオンの衣料品SPAブランド「トップバリュコレクション」のコンセプトとブランドロゴを刷新し、「TVC(ティーヴィシー)」として展開する。

<衣料品SPAブランド「TVC」として強化>
衣料品SPAブランド「TVC」

イオンリテールの井出武美社長は「当社は2023年より、新たなGMS衣料品売り場の創造に向け、ファミリー向けのデイリーカジュアル、ビジネス・フォーマルのオケージョン、シニア向けのセカンドライフ、Z世代向けのネクストエイジ、スポーツ関連のスポーツライフ、靴・トラベルグッズを含めた雑貨の6つに分類した『専門店モデル』を構築している。今春、さらに強いGMSを作るため、顧客層の広いデイリーカジュアル部門をリニューアルする。将来的には、日本全国のグループ各社の店舗に「TVC」の売り場を登場させ、海外事業にも挑戦し、グローバルブランドにしていきたい」と意気込みを語った。

「TVC」は、導入店舗数を3月から、現在の82店舗から289店舗に順次拡大。イオンリテールのカジュアル部門を統合することで、2025年2月期のトップバリュコレクションの販売規模は、2024年2月期比約7倍へ拡大、2029年2月期には約10倍を目指す。

トップバリュコレクションの小田嶋淳子社長は「商品開発会議に、現場の販売員が参加している。顧客の声をじかに聞いている彼らには本部の人間にはない発想がある。年代別の顧客インタビューも実施しており、イオンには中高生のお客様も多いため、『Sサイズを充実させてほしい』といった要望もあった。このような顧客のリクエストも商品開発に反映していく」と話す。

また、「私がイオンリテールの衣料本部長も兼任しているため、イオンリテールのカジュアルライン、エコロジーを意識した『SELF+SERVICE(セルフ+サービス)』、大人の女性のための『ESSEME(エシーム)』と重ならない商品開発や売り場の構成も可能になる。さらに、289店舗という規模感、グループの調達・物流部門と連携したスケールメリットにより、お客様が買いやすい価格を実現する」と述べた。

同業他社のアパレル事業撤退、衣料品SPA巨大企業の存在が大きい中、どう差別化を図るかについて、小田嶋社長は「衣料品は、他社にお願いせず、独自性を持って、自分たちでやり切る気持ちでいる。カジュアル衣料は大手SPAがあるが、TVCはSPA業界のNEXT BESTを目指し、大手企業の商品もいいが、エコフレンドリーな商品もある当社を次にいいねと言ってもらえるようになりたい」と決意をにじませた。

「TVC」は、2024年春夏240型を展開する。構成比はレディス55%、メンズ45%。価格は「ショッピングセンターの専門店より、ワンランク安い価格帯に設定している」と小田嶋社長。売り場面積は、出店先の衣料品売り場面積に応じて約264m2、約396m2、約495m2で進出することを想定しているという。

新ロゴでは、従来の普段の暮らしに必要な衣料品関連を「集める」という、「TOPVALU COLLECTION」の意味に加えて、「TOP(最高)+VALUE(価値)+COMMUNICATION(交流)」の意味も持たせ、最高の価値の交流、顧客と最高の価値でつながるファッションブランドでありたいとの思いを込めた。

ロゴに新たに用いているカラー「TVCグリーン」は、「ここち良さ」を表現しているとともに、環境配慮も感じ、どの世代にもフィットするやさしさを感じる色合いを表現している。

<ウエストゴムではきやすいオルスタパンツ>
オルスタパンツ

商品はどんなシーンにでもあう「オルスタパンツ」(レディス、メンズ、税込み4378円。レディスはテーパードとワイドの2タイプあり)、「サラサライージーケア長袖シャツ」(レディス、2838円) 、「ブロードバンドカラーシャツ」(メンズ、3278円) などがそろう。

なお、イオンリテールは2023年10月20日、埼玉県さいたま市の「イオン浦和美園店」に新たな衣料品「専門店モデル」売り場をオープン。11月に「イオンスタイル古川橋駅前」(大阪府門真市)、12月「イオン各務原」(岐阜県各務原市)でも「専門店モデル」売り場を導入しており、売り上げは好調だという。

2024年春「イオンナゴヤドーム前店」(愛知県名古屋市)、「イオンスタイル広島府中」(広島県)、「イオンスタイル鈴鹿白子」(三重県鈴鹿市)も「専門店モデル」売り場にリニューアル、今後も各地で取り入れる予定だ。

さらに、小田嶋社長は「イオンの環境活動をファッションで発信したい。サステナビリティを意識し、海に投棄されたペットボトルを再生した素材を使ったトップス、廃棄されるバナナの茎を再利用したカバーオール、イージーパンツなども開発、手ごろな価格で、環境にやさしい商品を販売していることを紹介していく」と説明している。

<海洋ペットボトルを再生した素材のワンオーシャン>
海洋ペットボトルを再生した素材のワンオーシャン
※長袖Tシャツ税込み3278円

<バナナクロスラボ>
バナナクロスラボ
※カバーオール税込み8580円、イージーパンツ5478円

■TVC
https://topvalucollection.jp/

取材・執筆 鹿野島智子

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