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EC決済市場/2022年には18兆円規模に拡大

2018年09月18日 16:00 / EC

矢野経済研究所は9月14日、EC決済サービス市場に関する調査結果を発表した。

調査によると、2017年度のEC決済サービス市場規模(ECサイト向け決済サービス提供事業者の取扱高ベース)は、前年度比7.2%増の約10兆7000億円の見通しとなった。

<EC決済サービス市場規模推移と予測>

2022年度のEC決済サービス市場規模は、約18兆7288億円まで拡大すると予測している。

経済産業省のデータによると、国内のEC市場規模(BtoC)は年々拡大をしている。スマートフォンの普及などもあり、ECサイトでは時間や場所を選ばずに、ショッピングができる環境が整っている。

?決済代行業者やPSP(Payment Service Provider)は、EC加盟店向けの決済サービスを中心に展開してきたが、近年では、手数料率の引き下げ競争が続くなど、競争環境が激化しており、収益維持が厳しい状況となっている。

そのため、決済サービスの提供に留まらず、加盟店におけるインターネット広告やCRM(Customer Relationship Management)の提案などのサイト集客支援や販促支援、トランザクションレンディング(決済を担保とした融資)などの融資サービス等により、決済手段以外の付加価値を提供することで差別化を図っている。

決済関連事業は、加盟店の売上拡大支援となるため、加盟店の売上拡大による取扱高の向上につながり、決済代行業者やPSP自身の事業拡大につなげている。

インターネットの進化やスマートフォンの普及に加え、クラウドの進展やAPI(Application Programming Interface)経済圏の拡大の推進を背景に、オンライン決済サービスを提供するスタートアップ企業が増加している。

新決済サービスでは、数行のコードを貼り付けるだけで、決済サービスを導入できるサービスも提供されており、決済サービスの導入障壁が格段に低くなっている。

?グローバルで携帯通信事業者を統合して決済サービスを提供するキャリアビリングアグリゲーションサービス事業者に関しても、確実に拡大している。

加えて、電話番号やメールアドレスなどで与信をして、加盟店の消費者向けに後払いサービスを提供する事業者においても、導入実績を積み上げており、さらなる成長を見込んでいる。

今後、台頭する可能性のある決済サービスとしては、クリプトカレンシー(仮想通貨)を活用した決済サービスがあげられる。

EC決済サービス市場は、EC市場(BtoC)の拡大基調の見通しを背景に、引き続き伸長すると考える。

EC決済においては、後払い決済やID決済などの新決済サービスが拡大しており、今後も存在感を高めていくと予測する。

決済領域の拡大に関しては、今まで現金決済が主流であった生活関連分野(公共料金や家賃、教育、冠婚葬祭など費用)における決済サービスの利用率の更なる拡大により、EC決済サービス市場も拡大基調を維持していくものと予想している。

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