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丸久/セイノーHDなど「陸上輸送+ドローン輸送」実証実験に参加

2019年11月26日 15:30 / IT・システム

丸久は11月25日、ドローン物流の社会実証に向けたビジネスモデル検証に参加すると発表した。

セイノーホールディングスが、ドローン物流の社会実装に向けたビジネスモデル実証にとりかかるもので、今回、トルビズオン、下関市などと連携し、下関市で事業化に向けた社会実装プロジェクトを立ち上げた。

<ビジネスモデル>
ビジネスモデル
出典:セイノーHD、丸久プレスリリース(以下同じ)

今回、リテールパートナーズの事業会社の丸久が展開する買い物代行サービスに注文が入った商品を、スーパーからドローンの離陸地点までは、セイノーグループでお届けサービスを展開するココネットが陸上輸送で運ぶ。

その後、離陸地点から2.5km離れた土地へドローンを使用して、主に河川、私有林上空を飛行させ輸送する。ドローンを活用することで、車であれば20分程度の配送時間を理論上は5分に短縮できる。今回は、実証実験のため、15分程度で離陸地点から配送場所で商品を届ける。

丸久グループの「サンマート豊田店」(山口県下関市)で注文を受け、離陸地点である「道の駅蛍街道西ノ市」にココネットが商品を届ける。その後、商品受け取り場所である「のぞみ会加工場」にドローンで商品を運ぶ。

<配送ルートの概要>
配送ルートの概要

ドローンの積載量は1kgで、惣菜、弁当、肉、刺身、バナナ、りんご、液体ではない一般食品などを配送する。

既存のサービスでは前日15時までに注文する必要があるが、実証ではココネットの買い物代行輸送力とドローンの速達性を活かし、当日注文で当日配送に対応することで、注文から配送まで最短約1時間で商品の輸送を行う。

ドローン物流を社会実装していくためには、複数の土地地権者上空を通過する必要があり、ドローン物流に対する利用者の需要喚起と、ドローン航行リスクに対する地権者の合意形成が必須課題となる。

<実証実験の参加団体と役割>
実証実験の参加団体と役割

この課題解決について、セイノーHDはトルビズオンとの協業を図る事による解決を目指している。今回のビジネスモデルの実践を通して、現法制度におけるドローン社会実装のモデルとなることを意図している。現行法では、ドローンは河川上空や私有地を飛ぶことができるため、今回11件の森林保有者の許可を得ている。

丸久の宅配スーパー「らくらく便」は、入会金、年会費、代引手数料、貨物手数料は無料となっている。配達料金は3000円未満が1件あたり550円、5000円未満が1件あたり350円、8000円未満が1件あたり200円、8000円以上が1件あたり100円、離島は一律1件1000円となっている。

1件あたりの平均配達コストは約800円で、配達コストの一部を丸久が負担してサービスを提供している。

今回のドローン物流は実証実験のため、配達料金は無料だが既存の平均配達コストの範囲内にコストは収まると試算している。

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