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伊藤忠商事/食品サプライチェーンDXを本格展開

2021年02月04日 12:30 / IT・システム

伊藤忠商事は2月1日、グループ会社で食品卸大手の日本アクセスと連携し、日本アクセスから食品メーカーに対する発注に関し、人工知能(AI)を用いた需要予測と発注最適化のソリューションを導入したと発表した。

伊藤忠商事と日本アクセスは、これを皮切りに食品サプライチェーンDXを本格的に展開する。

さまざまな分野で第4次産業革命やSDGsの気運が高まる中、食品流通分野でもデータを活用した効率化や新たなビジネスの創出による収益拡大、食品廃棄ロス削減等の実現が強く求められている。

一方で、食品サプライチェーンにおけるメーカー、卸、小売は、需要予測などに必要なデータを個々に保有しており、食品サプライチェーンにおけるDXによりこれらを実現するためには、業界全体でのデータ連携が必要となっている。

伊藤忠商事は、2018年からDX・データ活用事例の創出とそのための基盤・体制構築に着手した。

伊藤忠グループが多くのビジネス現場を有する生活消費サプライチェーン、中でも、食品サプライチェーンのDXによる最適化を重要施策と位置付け、データ活用のリーディングカンパニーであるブレインパッドやグループ会社である伊藤忠テクノソリューションズと連携し、昨年から日本アクセスとの間で、一部の物流拠点における小売店の販売データなどを活用した需要予測と発注自動化の実証実験を実施していた。

その結果、一定の在庫削減効果や発注業務の効率化が確認されたため、今回対象となる物流拠点を全国規模へ拡大する方針を決定し、本格的な展開を開始する。まずは、一部顧客向けの飲料や酒、菓子など常温商品(約1000商品程度)から開始、順次対象を拡大する。

今後は対象とする顧客・カテゴリ拡大のほか、商品・原材料調達から小売店舗向けの物流に至る食品サプライチェーン全体の最適化も視野に入れ検討を進める。将来的には、食品卸向けのみならず、取引先メーカーの工場稼働・物流倉庫の効率化や小売におけるフードロスや機会ロス削減に寄与するサービスの提供などを目指す。

これまで伊藤忠商事は、DX推進にかかる取組みとして、2019年12月にデータマネジメント事業を展開するウイングアーク1st社を持分法適用会社化し、2020年3月には、デジタルコンサルティング事業に強みを持つAKQA社との協業を開始、2020年11月には、ブレインパッドとの資本業務提携を通じてDX推進体制の強化を図ってきた。

今回の取り組みをはじめ、伊藤忠グループ内外のデータを活用した効率化や新規事業創出をさらに促すとともに、マーケットインの視点にたった新たな顧客体験、商品・サービスの提供を目指す。

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