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三菱地所/AI活用したロボットフードデリバリーなど複合施設の運営強化

2023年04月11日 15:19 / IT・システム

三菱地所は4月11日、AIテクノロジーを活用したロボットフードデリバリーなど、より付加価値の高い次世代型施設運営モデルをさらに深化・拡大することを発表した。

<次世代型施設運営モデルを推進>

労働人口の減少・新型コロナウイルス・働き方改革・ダイバーシティなどのさまざまな社会課題・顧客ニーズを解決・充足するための施策。

同社はこれまで、警備・清掃・運搬ロボットの積極導入や、各ロボットがフロア移動をするためのエレベーター改修工事を複数ビルにて順次進行してきた。2021年11月以降、丸の内周辺のエリアに次世代カメラシステムを導入し、最先端のAI画像解析を活用することで、困っている人へのサポート、混雑状況の把握、問題事案の早期発見など、新たな付加価値を提供している。

今回、本格展開する次世代型施設運営モデルは従来に比べ、AI・ロボット・IoTなどでより人や企業、モノやサービスがつながり、さまざまな知識や情報を共有する。今までにない新たな価値を生み出す「Society5.0」の未来社会像により近づいた取り組みになるという。

<オフィスへのロボットフードデリバリーサービス>

2023年2月より大手町パークビル(東京都千代田区)において、2種類の配送ロボットがワーカーのモバイルオーダーに応じ、ビル内のカフェやサラダ店の商品を複数フロアの執務室内100カ所以上に完全無人で配送するサービスを開始した。これによりオフィスワーカーは、仕事の手を止めることなく自席から商品を注文・決済・受取を完結できる。

なお、三菱地所グループの各施設では、すでに100台超のロボットが警備・清掃・運搬などで稼働しているが、経済産業省の「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」にも参画。エレベーターやセキュリティドアなどの建物設備とロボットとの通信連携を進めたことで、同サービスの実現に至った。ロボットが建物設備と自動連携する次世代の配送サービスとして、オフィスに新たな付加価値を提供していく。

<警備ロボットを活用したIoT設備点検>

2022年12月に常盤橋タワーの設備(空調機、冷温水ポンプ)にIoTセンサーやカメラを設置し、巡回・立哨警備を行う自律移動型ロボットが警備巡回時にセンサーデータを自動収集して設備を点検するシステムをこのほど構築した。これまで、設備機器は設備技術員が目視や定期巡回などで点検していたが、これにより設備技術員の人手に頼らない業務を実現。警備ロボットに本来の役割である警備の領域を超えた新たな業務遂行の可能性も見出した。

なお、得られたデータは、ダイキン工業が開発した「新点検支援システム」のクラウドに集約。機器メンテナンス会社やデータアナリストが遠隔で確認・分析することで、さらなる業務効率化、整備・備品交換費用の低減、設備機器のロングライフ化など、より高度な設備点検を実現する。

<AI画像解析を活用した新たな施設運営管理>

2023年1月より丸ビル・新丸ビル(いずれも東京都千代田区)において、警備会社、AI画像解析ベンダーと協業し、新たな警備体制を構築した。従前、警備業務は警備員による立動哨が中心だったが、多種多様なAI画像解析サービス(丸の内周辺エリアで延べ350台超導入済)を活用。監視員が「見守り対象者検知」「異常検知」「転倒検知」「喧嘩・暴力検知」「滞留検知」「侵入検知」「混雑検知」などのAI検知状況をリアルタイムに把握し、警備員の早期派遣・対応により、効率的かつ高度な警備および深刻な警備員不足といった社会課題の解決を目指す。

あわせて、丸の内エリアの店舗やイベントスペース、丸の内仲通りの混雑状況・歩行者交通量・来街者属性などをAI画像解析で数値化し、それらのデータと売上データ・天候・周辺イベントなどを複合的に分析することで、より効果的かつ魅力的な店舗運営や販促活動を実現する。また、データ活用することで、それぞれの施設利用者のニーズに合致したサービス提供を行っていく。

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