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消費税増税/ドリンク剤、化粧品、みりんに「反動減」

POS分析/2019年12月02日

マーチャンダイジング・オンはこのほど、「2019年増税駆け込み需要と反動減について」についてのレポートを発表した。

調査によると、今回の消費税増税で、食品スーパーでは、軽減税率の対象にならなかったドリンク剤、化粧品、みりんといった分野で駆け込み需要と反動減が見られた。。

今回、全国のスーパーマーケットの市場POSデータであるRDS-POS全国を使用して、10%への増税が実施され約1カ月半が経過した時点での動向を検証した。

10月12日に、台風19号が首都圏に上陸し、、キャッシュレス決済の本格利用が始まるなど、前回増税時とは異なる要素が発生しているが、それらも踏まえて考察した。

■駆け込み需要の規模は前回には及ばずも反動減は同程度

まず、今回の増税時における、日用品とアルコール飲料商品群合計の金額ベースの前年比推移と、前回2014年増税時の同商品群の前年比とを重ねて動向を検証した。

8月のお盆ごろには既に駆け込み需要の動きがみられていたが、全体で見た場合は、前回増税時に比べると2週間遅れ、9月2日週を境にして駆け込み需要が本格化したことがはっきりと分かった。

最終週の前年比ピークは前回の42%増には及ばないものの32%増まで高まり、少なくとも最寄り品の日用品・アルコール飲料に関しては、大きな駆け込み購買が発生していた。

図1<日用品+アルコール飲料 推移比較(2019年vs.2014年)>
日用品+アルコール飲料 推移比較(2019年vs.2014年)
※RDS全国スーパーマーケット週次金額ベース前年比(%)

一方、増税後の反動減の大きさについては、複雑な動きがあった。増税1週目となる9月30日週は、前年ほぼ同程度の反動減があった。

2週目となる10月7日週は、台風19号の襲来によって12日、13日を予告休店する店舗が首都圏を中心に大規模に発生した。その分、前段階の買い溜め・買い占めが大量に発生したこともあり、結果的に前回並みの前年比に落ち着いた。

2018年と比べると休日が一日少ないという事情もあったのだが、それすら飲み込んで前回並みの実績となた。

3週目となる10月14日週は、前回増税時は、増税後3週目に最も大きな落ち込みを見せていたが、今回はここで逆方向の動きとなり回復基調に変わった。

その後11月にかけては、5%減程度の前年比が続くという動きとなった。前回と概ね近い動きとなっており、あと2週間程度で収束する動きとなる可能性もある。

■日用品では「ドリンク剤」「化粧水(化粧品)」に大きな動き

次に、カテゴリーを細分化して検証した。まず、日用品カテゴリーを増税前最終週の販売金額の降順で並べ、その上位15カテゴリーを分析した。図2のグラフは、販売金額は1店舗当り販売金額(円)を表しており、その前年比を重ねた。

図2<日用品上位15カテゴリー1店当り販売金額と前年比(9月23日週)>
日用品上位15カテゴリー1店当り販売金額と前年比(9月23日週)
※RDS全国スーパーマーケット 

日用品の前年比で、大きな動きを見せたのは、ドリンク剤(指定医薬部外品)と化粧水となった。

ドリンク剤には、医薬部外品のドリンク剤などが含まれるが、ラグビーワールドカップスポンサーの「リポビタンD」の販促と時期的に被ったことによる要素が大きかったと思われる。

また、販売金額でみると、15位で1店当たり週販金額2万円を切っているが、「化粧水」が前年比102%増と大きく跳ねる結果となった。

全般的に、比較的高単価な商品に動きが見られていますが、この「化粧水」の結果もそのような傾向を表しているものと思われる。15位からは漏れたが同じ化粧品カテゴリーの「ファンデーション」も127%増と大きく前年を超える実績となった。

■アルコール飲料では、みりんに特徴的な動き

次に、日用品と同時に軽減税率の対象とならなかった、主要アルコール飲料カテゴリーを集計した。リキュール類、ビール、清酒、焼酎(乙類)、発泡酒、スピリッツ、果実酒、焼酎(甲類)、その他雑種、ウイスキー、みりんを調査した。

図3<主要アルコール飲料カテゴリー100店当り販売金額と前年比(9月23日週)>
主要アルコール飲料カテゴリー100店当り販売金額と前年比(9月23日週)
※RDS全国スーパーマーケット 

9月23日の増税直前週を見ると、販売金額前年比でビール35%増、焼酎(乙類)24%増、スピリッツ25%増、ウイスキー33%増といった駆け込み需要が見られた。一方で、みりんは129%増と2倍を超える数値となり、特徴的な動きがみられた。

みりんは、調味料としては唯一軽減税率対象外であったため、購買が集中したものと思われる。

その他のアルコール飲料では、前年比はおおむね120~140%に収まっていて、極端に伸ばしたカテゴリーはない。ただし、ここでもビール、ウイスキーなど比較的単価の高いカテゴリーに特需が比較的強く出たということは言えるかもしれません。

表1.<カテゴリー別反動減推移 前年同週比(%)>
カテゴリー別反動減推移 前年同週比(%)
※RDS全国スーパーマーケット

ここまで、カテゴリー別に駆け込み需要を検証してきました。次に、駆け込み需要が大きくでたカテゴリーの反動減について検証します。

化粧水、ファンデーション、ドリンク剤、みりん、ビール、ウイスキーについて、増税前の9月23日週から増税後の11月11日週までの7週間の動きを見てみました。

増税第1週となる9月30日週は、みりん26%増、ウイスキー2%増となった以外は、前年割れとなりました。中でもドリンク剤は35%減と大きく数字を落とした。

第2週となる10月7日週は、全カテゴリーが前年割れとなりました。化粧水38%減、ファンデーション40%減、みりん27%減となった。一方で、ドリンク剤は6%減と数字を戻した。

おおむね、駆け込み需要の大きく出たカテゴリーはその反動減も長引いていることが分かりますが、ドリンク剤だけは全く違う動きをした。やはりラグビーワールドカップの影響は大きかったと思われる。

1週目は大きな反動減が見られたが、すぐに回復した。ワールドカップは、10月20日が日本vs.南アフリカ戦、同26日、27日が準決勝戦、11月2日が決勝戦という日程だったので、まさにワールドカップ日程に合わせて急回復し、既に前年並みに戻っているようだ。

■RDSについて
http://www.mdingon.com/MdonWeb/service/newrds.html

本稿は、流通現場における製配販それぞれのマーチャンダイジング提案活動を、POSデータ分析を中心にいろいろな角度からサポートするマーチャンダイジング・オン(MDON)が、「POS分析」に関して色々な角度から紹介するコラムです。

マーチャンダイジング・オンが執筆した原稿を、流通ニュース編集部が編集しております。

注:マーチャンダイジング・オン社提供のRDS-POSデータ分析については、記事、写真、図表などを複写、転載などの方法で利用することはできません。

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