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串カツ田中/禁煙化1カ月で客数2.2%増、客単価5.0%減、売上2.9%減

2018年07月06日 16:00 / 販促

串カツ田中は7月5日、6月1日から実施している全席禁煙化後の直営86店の売上動向を発表した。

<6月1日から禁煙化>
6月1日から禁煙化

同社は、立ち飲み3店を除く国内189店(FC含む)で禁煙化を実施した。全席禁煙は176店、フロア分煙は13店となっている。禁煙は加熱式タバコも対象としている。

既存店の動向では、客数は前年同期比2.2%増と伸びたが、客単価が5.0%減となり、売上高は2.9%減となった。

既存店客単価は、キャンペーンを実施したことに加え、お通し代がなくソフトドリンクを注文する未成年者のお客の増加により減少した。

19時と23時の時間帯の売上が20時、22時台に分散。ピーク時間が早まり、早い時間帯の売上高が増加する一方、深夜帯の売上高が減少した。

客層の変化では、家族6%増、一般男女グループ(~20代)1%増、女性・カップル1%増となったが、会社員・男性グループ6%減、一般男女グループ(30代~)1%減となった。

6月1日~30日の前年同期比を分析した。東京の今年6月の月間降水量は昨年6月に比べると多く、特に土日に限って見ると昨年よりも倍以上の降水量があった(気象庁過去の気象データより)。一年を通して、雨天時は客足は遠のきやすい傾向がある。

また、サッカーワールドカップ開催による客数の減少。6月1日(金)~6月14日(木)に感謝祭キャンペーン(串カツ全品税込108円)、6月22日(金)~6月30日(土)に200店舗達成記念キャンペーン(ドリンク216円)の実施といった外的要因もあった。

<お客からの声>
お客からの声

お客からの声では、「禁煙になってうれしい」「禁煙だから安心して子どもを連れてこれる」「妊婦でもこれる」といったプラスの声がある一方で「禁煙になって残念」「お酒を飲める場でタバコが吸えないなんてありえない」「禁煙だからもう来れない」といったマイナスの声もあった。

同社は、「課題として、店頭や路上喫煙、ポイ捨ての増加。それによる通行人の受動喫煙が起きたり、近隣施設や住民からの意見をいただいている」という。

今後、清掃を強化したり、地域の人々や喫煙客にも気持ちよく利用してもらう施策を検討するという。

<従業員アンケート>
従業員アンケート

従業員からは、「女性客、若者、年配客の増加」「働く上でも快適になった気がする」「平日でもファミリー層が増えた」といったプラスの声がある一方で、「会社員や中年男性の減少」「22時以降の来店客の減少」「禁煙と聞くと帰るお客様が1日1~4組はいる」といったマイナスの声もあった。

同社によると、「当初は、短期的には客数は減少する可能性がありますが、長期的には飲食店の禁煙化への理解が浸透し、客数が増加すると想定していた」。

「6月の結果をみると、天候の影響やサッカーワールドカップ開催による影響もありましたが、キャンペーンやメディア露出によって、短期的にも客数が増加したことは良い結果が出せたと考えている」という。

禁煙になったことを知らずに来店し、入店を辞められるお客もいることから、まだまだ禁煙化に対する認知度は低いと考えている。

変化の過渡期にあるため、禁煙化によって来店増加が見込める潜在層のターゲットも多く、これからの認知拡大で来客数はより増加していく可能性は大いにある。

禁煙化による新規客にリピーターになってもらうための施策、減少した客層への施策、時間帯別の施策を強化し、全体的な客数増加により売上を伸ばすという。

同社は、「串カツ田中の10年、20年後を見据えた禁煙化の取り組みは手ごたえを感じたと言える」と分析している。

■串カツ田中
http://kushi-tanaka.co.jp/

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