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過労死等の労災補償状況/脳・心臓疾患の請求件数は卸売業・小売業が2位

2018年07月06日 16:05 / 行政

厚生労働省は7月6日、2017年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。

脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況の請求件数は840件で、前年度比15件の増となった。支給決定件数は253件で7件の減となり、うち死亡件数は15件減の92件だった。

業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業・郵便業」188件、「卸売業・小売業」115件、「建設業」112件の順で多く、支給決定件数は「運輸業・郵便業」99件、「卸売業・小売業」35件、「宿泊業・飲食サービス業」28件の順に多かった。

<脳・心臓疾患の業種別請求、決定及び支給決定件数>
脳・心臓疾患の業種別請求、決定及び支給決定件数
出典:厚労省発表資料

卸売業・小売業で、脳・心臓疾患の請求件数の多い業種は、飲食料品小売業、飲食料品卸売業、各種商品小売業の順となった。

職種別(大分類)では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」169件、「専門的・技術的職業従事者」と「販売従事者」98件の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」89件、「サービス職業従事者」36件、「販売従事者」29件の順に多かった。

年齢別では、請求件数は「50~59歳」290件、「60歳以上」239件、「40~49歳」230件の順で多く、支給決定件数は「40~49歳」と「50~59歳」97件、「60歳以上」32件の順に多かった。

時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」42件が最も多い。また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」96件が最も多い。

精神障害に関する事案の労災補償状況では、請求件数は1732件で前年度比146件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比23件増の221件となった。

支給決定件数は506件で前年度比8件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比14件増の98件だった。

<精神障害の業種別請求、決定及び支給決定件数>
精神障害の業種別請求、決定及び支給決定件数
出典:厚生労働省発表資料

業種別(大分類)では、請求件数は「医療,福祉」313件、「製造業」308件、「卸売業,小売業」232件の順に多く、支給決定件数は「製造業」87件、「医療,福祉」82件、「卸売業,小売業」65件の順に多い。

職種別(大分類)では、請求件数は「専門的・技術的職業従事者」429件、「事務従事者」329件、「販売従事者」225件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」130件、「サービス職業従事者」70件、「事務従事者」66件の順となった。

年齢別では、請求件数は「40~49歳」522件、「30~39歳」446件、「20~29歳」363件、支給決定件数は「40~49歳」158件、「30~39歳」131件、「20~29歳」114件の順に多かった。

(時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は、「20時間未満」が75件で最も多く、「160時間以上」が49件だった。

出来事別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」88件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」64件の順に多かった。

「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されている。

支給決定件数は、2017年度中に「業務上」と認定した件数で、2017年度以前に請求があったものを含む。

厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況について、2002年から、労災請求件数や「業務上疾病」と認定し、労災保険給付を決定した支給決定件数などを年1回、取りまとめている。

■過労死等の労災補償状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00039.html

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