いなげや/競合店にセブンも、ビジネス・住宅街立地に「飯田橋店」
2018年07月27日 18:00 / 店舗レポート
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飯田橋店は、小学館の自社倉庫を再開発した物件への出店で、いなげやとして最も都心立地となる店舗となった。
成瀬直人社長は、「IT技術の進展により、産業構造に変化が起きている。出版社の倉庫、通信事業者の設備再編などで、これまでには考えらなかった規模の物件が都心に生まれている。まだ、本格化はしていないが、今後は、990m2程度の物件が豊富になるだろう。都市型小型店舗はいまは好調だが、990m2クラスの店舗が出店すれば、競争力に課題がある。当社は、990m2、1500m2など、いなげやの標準的な店舗を都心部に出店したい」と語る。
これまでの出店は、郊外の近隣型ショッピングセンターなど人を集める立地への出店が中心だったが、今後は、20年、30年先を見据えて、人が集まっている立地への出店を目指すという。
都市部はこれまで、スーパーマーケットが出店できる規模の物件がほとんどなかったため、スーパーマーケットで買物をするという観点では、買物不便地帯とも言える場所も多い。
そのため、いなげやでは、フルラインの品ぞろえを展開し、日用品といった非食品も提供する。
取扱いアイテム数は、青果440、鮮魚310、精肉440、惣菜・インストアベーカリー250、和洋日配1750、加工食品5540、雑貨1450、合計1万1180アイテムをそろた。
また、ゴンドラエンドや冷蔵ケースの間壁面や柱回りを活用して、キッチン用品も関連販売で積極的に提案する。
湿気を取る効果のある珪藻土をつかったキッチン用品も提案し、関連販売であっても機能性商品を訴求することで高単価商品の併売を促している。
都心立地は、郊外型立地と異なり、賃料コストが高くなるため、店舗運営コストを削減する必要がある。そのため、精肉部門は100%プロセスセンター対応にしたほか、レジではセミセルフレジを導入した。
都心部ではパート・アルバイトの採用が難しいこともあり、商品の登録は従業員が行い、精算はお客自身が行うセミセルフレジを導入することで、レジ人員の削減を図る。
飯田橋店は、北側に神楽坂があり、こだわりの商品を求めるお客も想定されるため、新たに上質な商品の品ぞろえを追加した。
ワインでは、ワイン専門のネット通販を運営する「京橋ワイン」の商品を導入した。
加工肉では、大山ハムを新規導入し、品ぞろえの幅を広げた。
ドレッシングでは、いなげやがおすすめするこだわり商品を集めたコーナーをお客の目線に近いゴールデンゾーンに展開し、積極的に高単価商品を訴求している。
また、青果側の入口には、花きをしなぞろえすることで、花のある食卓を提案する。
成瀬社長は、「都心部は競合他社を含めて出店したい事業者が多く、なかなか採算に見合う物件が少ない。ただ、山手線の内側でも物件は増える見通しであり、当社も物件を精査して出店を狙っていきたい」と語った。
店舗概要
所在地:東京都新宿区新小川町4-11
TEL:03-5206-3205
延床面積:1511m2(459坪)
売場面積:985m2(298坪)
駐車場:25台(提携駐車場)
駐輪場:50台
売上目標:日商420万円(年商約15億円)
営業時間:9時30分~22時
従業員:社員9人、パートナー社員44人(166時間/月換算)、合計55人
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