東急ストア/惣菜・グロサリー特化の新業態プレッセ デリマーケット
2018年09月05日 16:30 / 店舗レポート
デリマーケットは、徹底して品ぞろえを即食商品に特化することで、コンビニとの差別化を図っている。生鮮食品を販売しないほか、調味料、豆腐、冷凍食品など、調理が必要な商品はすべてカットした。
山形常務執行役員は、「200m2以下という限られた店舗面積のため、通常のスーパーマーケットとは全く違う発想で商品構成を考えた。コンビニと差別化するために、コンビニでも販売している調味料や冷凍食品、日用雑貨などカットした。牛乳も1リットルはおかずに200mlの飲み切りサイズのみとした」と語る。
即食商品にこだわり、惣菜のほか、お菓子と酒類を品ぞろえの柱に位置付けた。酒類では、ワインを中核カテゴリーと位置付け100種類を展開する。
ワインの棚割りは、従来の国別、品種別ではなく、女性醸造家のワイン、国産ワインなど女性目線を活かした棚割りを採用した。
オフィスワーカーの女性や訪日外国人観光客を含む宿泊客などの利用を意識して、日本酒やリキュールでも小瓶の商品をそろえた。
お菓子では、女性に人気があるチョコレートを中核カテゴリーに位置付けた。ゴディバやリンツといった有名ブランドをコーナー展開する。
そのほか、フルーツ入りのチョコレートや高カカオチョコレートなどこだわりの商品もそろえた。
女性は1枚単位でもお菓子を購入するニーズがあるため、1枚入りのせんべいもコーナー化した。そのほか、1杯分の小分けとなったこだわりの紅茶のティーパックもコーナー化し、これまでの店舗にない品ぞろえに挑戦した。
オフィスワーカーのパーソナルギフトニーズに応えるため、お土産用のお菓子も提案する。「プロの目利き7選」をテーマに、毎月、季節感や旬などのテーマに合わせ、著名人のおすすめ商品を紹介する。
プロがおすすめする自慢の一品や思わず手に取りたくなるような、こだわりの逸品を提案する。
現在、東急ストアではイートインスペースの拡大を進めている。デリマーケットでも14席のイートインスペースを確保している。
山形常務執行役員は、「イートインスペースへのニーズは確実に高まっている。既存店では売場を縮小してでもイートインスペースを確保する取り組みを開始した。デリマーケットでは、夜のちょい飲みニーズへの対応も一つのテーマだ。夜は客席を外して、イートインスペース中央に円卓を設置し、立ち飲みコーナーにするといった運営も検討している」と語る。
現在、東急ストアは東急沿線の100駅のうち、50駅に出店している。東急沿線は競合も多く、通常のスーパーマーケットが出店できる余地は限られている。
東急ストアでは、新たな出店立地を開拓するため、小型店の開発も進めている。2016年8月には、世田谷区の東急田園都市線「用賀駅」前に、売場面積238m2、後方面積142m2の規模で「フードステーション用賀店」をオープンしている。
用賀店は1日あたり売上高が200万円程度の繁盛店で、店舗段階の営業利益率はNo.1だという。
2017年4月には、東急グループが開発した複合施設「渋谷キャスト」にも「フードステーション渋谷キャスト店」(売場面積195m2)をオープンし、好調に推移している。
山形常務執行役員は、「フードステーションはコンビニサイズの売場面積に、生鮮食品も含むスーパーマーケットの商品を展開している。小型店の収益性は高く、小型店へのニーズは高い。レギュラーサイズのスーパーマーケットを出店するのは難しいが、駅前やエキナカなど狭小立地でも出店できる業態があれば、出店できる。デリマーケットをフードステーションに続く、収益力のある業態に育てたい」と語った。
■プレッセ シブヤ デリマーケット
所在地:東京都渋谷区渋谷3-21-3
渋谷ストリーム2階
TEL:03-6419-3109
建物規模:鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造)
売場面積:165m2
駐車場:254台
営業時間:7時~23時
年商予定:3億7000万円
従業員数:36人(社員1人、パートタイマー・アルバイト35人)
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