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セブンイレブン/オフィスビル内に省人型店舗の実験店、顔認証で決済

2018年12月17日 17:05 / 店舗レポート

セブン-イレブン・ジャパンとNECは12月17日、港区のNECグループのオフィスが入居する「三田国際ビル」に、省人型店舗として「セブン-イレブン三田国際ビル20F店」をオープンした。

<セブン-イレブン三田国際ビル20F店>
セブン-イレブン三田国際ビル20F店

オフィス、工場、病院などのマイクロ・マーケット(小規模商圏)への本格的な展開を目的に、NECのAIやIoT技術を活用し、無人での店舗オペレーションを可能にした店舗で、実証実験を行う。

<顔認証決済>
顔認証決済

今回、NECとして国内初導入となる「顔認証による決済」のほか、「ターゲット広告サイネージ」などを導入した。

<セブンの古屋社長(左)とNECの江村常務(右)>
セブンの古屋社長(左)とNECの江村常務(右)

セブン-イレブンの古屋一樹社長は、「一言でいうと誤解もあるが、無人店舗は現在、私は全く考えていない。接客がセブン-イレブンにとって一番大事なところで、これが失われたらお客様にとって、近く便利でほっとする店作りは不可能だ。ただ、発注する時間を短縮し、お客様が喜ばれる陳列、POPをつけるとか、お客様との接点の時間を増やしたい。これも本部として売上を上げるのと同じくらい大切な加盟店サポートだと思っている。いまの時点では省人化のイノベーションをすることが大切だと思う」と実験の趣旨を説明した。

NECの江村克己取締役執行役員常務兼CTOは、「この店舗に導入した新しい技術は、これを省人型店舗に導入した時にどれくらい効果があるのか、まだ見えていない。これを定量的に明らかにしたい」と語った。

<店内全景>
店内全景

売場面積は約26m2で、取扱品目は、おにぎり、サンドイッチ、パン、乳飲料、ソフトドリンク、菓子、カップラーメン、セブンカフェ、雑貨など約400品目。

三田国際ビル地下1階には、「セブン-イレブン三田国際ビル店」が出店しており、1日約4000人が来店する繁盛店で、ランチタイムにお客の行列ができるといった課題があり、ビルの上層階への出店に至った。

<セブンカフェはコーヒーのみを販売>
セブンカフェはコーヒーのみを販売

コミュニケーションロボット「PaPeRo i」を決済端末カウンターに設置し、お客の顔を認識し性別・年齢などの属性に応じた商品を提案する。

<コミュニケーションロボット PaPeRo i>
コミュニケーションロボット PaPeRo i

顔認証はウォークスルー顔認証による入店と決済に活用した。顔認証による決済は、三田国際ビルで働くNECグループの従業員約6000人のうち、顔認証に同意した社員のみが利用でき、社員証による決済にも対応する。決済は社員の給料明細と連動しており、給与天引きで決済を行う。

現在は、ナナコやクレジットカードには対応していないが、将来的にはナナコやクレジットカードにも対応する予定だ。

<入店でも顔認証を活用>
入店でも顔認証を活用

店内には、カメラを複数台設置し、映像解析によるエリア検知、遠隔での売場確認や特定エリアへの侵入検知を行う。カメラにより、マーケティングデータの収集と防犯の両面をサポートする。

<ターゲット広告サイネージ>
ターゲット広告サイネージ

店内には、顔画像からお客の年齢・性別を推定し、ターゲットに合わせた広告を表示する「ターゲット広告サイネージ」を設置した。

例えば、20代の女性であれば、カフェラテの商品を表示するなど、サイネージ前を通過するお客に合わせた商品提案をする。

<IoTを活用し設備の稼働管理を実施>
IoTを活用し設備の稼働管理を実施

冷蔵ケースや冷凍ケース、自動販売機、セブンカフェのマシンなどにIoT対応機器を設置し、冷蔵ケースの温度以上や機器の不具合、コーヒーマシンの豆の補充や清掃のタイミングなどを従業員に知らせる機能を付加した。

店舗のメンテナンスを行う最適なタイミングを従業員に知らせることで、店内作業を効率化する。

<AIによる発注支援を導入>
AIによる発注支援を導入

従来の過去の販売実績や天気に加えて、キャンペーン、CM投入、気温などさまざまな要素を加味して、AIが単品単位で発注数量を提案する発注支援システムも導入した。

セブン-イレブンでは、発注を重視しており、自動発注ではなく、あくまで人間が発注する上での支援を行うシステムとして、AIによる発注支援システムを位置付けている。

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