ファミマ/AI活用の発注システム導入、作業時間を1週間で6時間削減
2025年07月10日 13:29 / IT・システム
ファミリーマートは7月10日、AI(人工知能)を活用した新たな発注システム「AIレコメンド発注」を6月末から全国500店舗にて運用を開始したと発表した。
これまでは自店舗の実績や経験に基づき発注し、欠品や廃棄ロスが生じていた。
同システムは、膨大なデータを分析・学習することで、各店舗におむすびや弁当、サンドイッチなどの最適な発注数を自動で推奨する。店舗の業務効率化に加え、品ぞろえの最適化と販売機会の最大化を目指す。
AIが過去1年間の販売実績、店舗周辺の通行量(時間帯別、性別、年代別)、気象データ(気温、湿度、降水量、日照量など)、カレンダー情報(祝日など)といった多岐にわたる膨大なデータを分析・学習。日別・便別・単品別に最適な販売予測数を算出する。発注担当者の経験では予測できない変化も捉え、高精度な推奨値を提供するという。
また、自店舗と立地環境が同様であることに加え、利益額が高い店舗を「お手本店」として販売実績を参照する。自店にない売れ筋商品など、これまで発注されていなかった商品を推奨することで、店舗の品ぞろえ改善を提案する。
さらに、販売予測数に加え、販売機会ロスを防ぐために、次の納品までの在庫繰り越し分を考慮した「売り場ボリュームを保つ数」を自動で算出・加算。適切な商品陳列量を維持し、販売機会の最大化を図る。これまで過剰な発注において発生していた廃棄ロスを適正化し、フードロス対策にもつなげたい考え。
AIが推奨値を自動で算出することで、発注業務にかかる時間を1週間あたり約6時間削減を見込む。
AI推奨値は、1日4回更新され、店舗の状況に合わせて手動で調整することも可能。特に新商品や販促商品、イレギュラーなイベントなど、AIが考慮できない要素に対しては、店舗の判断による調整を推奨している。
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