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オーケー/セルフレジ導入「調布店」出店、ミールキット実験販売

2019年09月26日 17:55 / 店舗レポート

オーケーは9月26日、東京都調布市に「オーケー調布店」をオープンした。売場面積は1495.52m2で同社では中規模のディスカウント・スーパーマーケット。

<オーケー調布店>
オーケー調布店

基本商圏は3km圏で人口約16万人・世帯数約8万世帯を想定する。取扱アイテム数は非公表だが、商品構成比は食品60%、非食品40%。

近隣には古くから「狛江店」があり、最近では「狛江中和泉店」「三鷹上連雀店」が出店し、お客の支持を得ている地域となっている。既存店とドミナントエリアを形成しつつ商圏を拡大する。

<店舗レイアウト>
店舗レイアウト

二宮涼太郎社長は、「今期は7店の出店を計画していたが、東京オリンピックに伴う建設需要の増加などを受け、5店の出店にとどまる予定だ。出店はこれまで通り、国道16号線の内側の1都3県で、既存店のドミナントを強化する立地を想定している。調布店も既存店のドミナントを強化する出店となっている」と語る。

経営方針は「高品質・Everyday Low Price」毎日が特売で、ナショナルブランド商品は地域一番の安値を目指して販売している。EDLPで特売日がないほか、オーケークラブ会員は現金払いで食料品の3%相当額を割引している。チラシは、「商品情報」と位置付けており、オープン時に配布するほか、月に1回折込チラシを配布する。そのほか、毎週月曜日に店頭でチラシを配布することで販促費を削減している。

<二宮社長>
二宮社長

オーケーでは、常にお客のニーズにあった新しい商品開発を進めており、調布店では、青果と鮮魚部門でミールキットを新たに導入した。

青果では、調味料、肉、野菜を組みわせることで、自分流のレシピを作ることができる「選べるミールキット」を実験導入した。

<選べるミールキット>
選べるミールキット

既存のミールキット商材にある割高感を払拭し、よりお客の好みやニーズにあったミールキットを提案する取り組み。2~3人前の量目で、調理時間5分~10分で、フライパンで炒めて簡単におかずを作ることができる。

野菜は「彩り野菜の炒め用ミックス」「ニラもやし炒め」(各税別96円)、「5品目の白菜炒め」「3品目のキャベツ炒め」(各134円)の4SKUを用意。根菜を中心とした水煮商品は、「国産香る風味野菜 とん汁」「同 筑前煮」「同カレー・シチュー」(各251円)の3SKUを用意した。

※本文中の表示価格は、オーケークラブ会員現金払いの3/103割引後の税別価格。

「選べるミールキット」用に、加熱調理済みの真空パックの肉とたれも青果部門で用意した。肉は、「ミールキット用 牛ばら肉」「同 豚肩ロース肉」「同 豚ばら肉」「同 豚モモ肉」(各193円)の4SKUを展開。たれは、日本食研の協力を得て、「中華オイスターのたれ」「和風万能調味料」「黒酢ソース」(各70g57円)の3SKUをそろえた。

和風万能調味料では豚バラと根菜の甘辛炒め・肉豆腐・肉じゃが、中華オイスターのたれでは豚肉ときくらげの玉子炒め・豚バラ白菜の甘辛炒め・豚肉と根菜のオイスター炒め、黒酢ソースでは鶏肉と野菜の黒酢ソース炒め・黒酢香る酢豚・豚肉と野菜の黒酢ソース炒めの合計9メニューを写真付きレシピで紹介する。

<海鮮おかずシリーズ>
海鮮おかずシリーズ

鮮魚部門では、電子レンジで温めるだけでメニューが完成する「海鮮おかずシリーズ」を実験導入した。「さばとゴロゴロ野菜の昆布ポン酢」「いわしとゴロゴロ野菜の昆布ポン酢」(各290円)を投入した。

「えびといかのオリーブガーリックオイル蒸し」「海鮮ハンバーグのオリーブガーリックオイル蒸し」「帆立とあさりのねぎ塩オイル蒸し」「イカのオリーブガーリックオイルオイル蒸し」(各388円)を合わせて合計6アイテムを販売する。オイル蒸しシリーズは、おかずとしてのボリューム感を出すために、具材の下にポテト入れ、ボリューム感を出した。ポテトを入れたことで、具材の旨みを含んだオリーブオイルをポテトが吸うことで、より旨みのあるおかずに仕上がるという。

冷凍食品のミールキットのため、賞味期限は6カ月あり、廃棄ロスもほとんど発生しない商品設計を目指した。

働く女性、子育て世代など幅広い層で、料理に対して、簡便・時短といったニーズが高まっており、ミールキット商材を開発することで、新たなニーズに対応する。

<黒毛和牛のホルモンを冷凍肉で販売>
黒毛和牛のホルモンを冷凍肉で販売

精肉部門では、牛の一頭買いによるA4ランクの国産牛肉が特徴の一つとなっている。通常はA4ランクの牛肉を販売するが、新店オープン時やA5ランクの肉の仕入れができた時は、スポット販売でA5ランクの国産牛肉も販売する。

牛一頭をセットで購入しているメリットを生かし、精肉部門では、大型店などの店舗限定の品ぞろえとして、瞬間凍結冷凍した黒毛和牛ホルモンを販売している。

テール(100g373円)、心臓(同259円)、ほほ肉(同456円)、アキレス(同228円)、ギャラ(同155円)、シマ腸(同280円)、センマイ(同155円)、ハチノス(同280円)、レバー加熱用(同136円)、小腸(同223円)をそろえた。焼肉専門店に匹敵する品ぞろえを、冷凍肉で展開することで手軽な価格で販売する。

<店内で焼き上げるピザ>
店内で焼き上げるピザ

インストアベーカリーも人気部門のひとつで、店内で焼き上げるピザが好評となっている。ピザは定期的にメニューを変更しており、現在は、「チェリートマトのマルゲリータピザ」「スモークチーズ入りシーフードピザ」「ブルーチーズの4種チーズピザ」「明太子ポテトピザ」「トマトのボロネーゼピザ」「ポテトツナコーンピザ」(各30cm456円)と「照り焼きチキンソースピザ」(30cm581円)を販売している。

10月中旬からは、「カルボナーラソースのピザ」(30cm456円)を新発売する予定だ。

ベーカリー部門で使用する強力粉は、日清製粉が製造する最高級パン用強力粉「ビリオン」を使用している。ビリオンは、本来、25kg入りの業務用商品だが、お客からの要望を受け、オーケーでは1kg(304円)で小分け販売もしている。

<人気No.2のグリルハンバーグ弁当>
人気No.2のグリルハンバーグ弁当

惣菜部門のお弁当も人気商品となっている。お弁当は、一部の商品を除き店内加工の商品を中心に展開する。人気No.1は、「ロースかつ重(カナダ産三元豚使用)」(291円)となっている。

有名レストランのハンバーグを参考にして約1年かけて開発して、9月2日から発売した新商品「グリルハンバーグ弁当」(388円)は人気No.2の商品に成長している。

寿司は、酢・塩・旨みにこだわり、赤酢を使用したシャリを採用している。おにぎりは、アウトパック商品を展開しているが、2018年度は甘み・旨み・粘りを追求した「富山県産米」と「国産海苔」を使用し、1個49円から販売している。

<清涼飲料・ビール類・缶チューハイは常温販売>
清涼飲料・ビール類・缶チューハイは常温販売

加工食品では、ナショナルブランド商品を地域一番の安値で販売するため、ローコストオペレーションの工夫をしている。

清涼飲料・ミネラルウォーター・ビール類・缶チューハイは冷蔵ケースで冷やさず、常温ゴンドラで販売。ゴンドラ下段にケース商品、ゴンドラ中段・上段にバラ・6缶パック商品を展開する。ケース販売商品を売場に展開することで、バラ販売商品の補充をケース販売商品から行い商品補充効率を高める工夫をしている。

基本的に定番商品をEDLPで販売しているが、数量限定・期間限定などのスポット商品は「特別提供品コーナー」で展開し、品ぞろえの幅を広げている。

<冷凍食品はリーチインクーラーで展開>
冷凍食品はリーチインクーラーで展開

冷凍食品は冷凍効率の高いリーチインクーラーで展開。光熱費を抑えることで、EDLPの原資としている。

パン・和洋菓子、乳製品、豆腐、納豆などのデイリー商品は、入荷した日に売り切ることを目指している。デイリー商品は、前日入荷分が売れ残った場合は、3%や5%の値引きシールを見切り売り切っている。毎日仕入れ、毎日売り切りのオペレーションとすることで、売れ残りによる廃棄ロスを削減している。

<デリ・ブティックワイン>
デリ・ブティックワイン

オーケーでは、一部でプライベートブランド商品を展開するが、取引先メーカーとの共同開発商品を重視している。はちみつ、インスタントコーヒー、ナッツ類、カレー粉、キムチ、梅干しなど一部の商品は、オーケーマークを付けて販売しているが、自社ブランドを統一して販売することにはこだわっていない。ナショナルブランドをベースにした留め型商品を中心に展開している。

メルシャンがオーケー向けに開発した「デリ・ブティックワイン」赤・白・ロゼ(各720ml369円)は、全店で赤・白合計で1日約3000本を販売する人気に成長している。

調味料では、セゾンファクトリーと共同開発した「満足度100!」シリーズを展開し、付加価値の高い商品開発にも挑戦している。

オーケーでは9月17日から、自社物流センターを三菱食品と伊藤忠食品の強力を得て稼働している。自社物流センターを稼働させることで、加工食品の物流効率を高め原価を低減させる。あわせて、留め型商品の在庫能力も高めることで、商品開発の幅を広げる。

<オネストカードで商品情報を提供>
オネストカードで商品情報を提供

独自のサービスとして、オネスト(正直)カードを展開。できるだけ正確で、正直な商品情報をお客に知らせることで、顧客との信頼関係を構築している。

例えば、「長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします」、「6月21日から発泡酒が値下げになります。お急ぎでなければ、6月21日までお待ちください」といった情報を掲載。商品品質や値上げや値下げの情報をお客と共有する。

<災害に備えた防災用品も提案>
災害に備えた防災用品も提案

オーケーでは、対処すべき経営課題の一つとして防災を掲げている。店頭では、レトルトカレー、カンパン、缶詰といった長期保存が可能な商品を集めた防災用品コーナーを展開。ミネラルウォーター売場では、万が一に備えた備蓄を呼び掛けている。

昨年度のオーケーの飲料水の販売実績は2リットル換算で2475万本だったが、災害時の販売用飲料水の確保では、膨大な数量が必要で店舗だけは保管できない課題がある。

災害時は、1人あたり9リットルの水が必要と言われているため、多めに見積もって1人あたり12リットルと設定。1人住まいの場合、まず、2リットル入り飲料水6本入2ケースの備蓄を提案している。

<フルセルフレジも導入>
フルセルフレジも導入

調布店では、セミセルフレジ9台のほか、フルセルフレジ6台を導入した。フルセルフレジを導入するのは7店目となる。

フルセルフレジはまだ実験段階の取り組みだが、人手不足によるレジ人員の確保も課題となっている中で、お客のレジ待ち時間を減らす取り組みとして導入した。

消費税増税後のオーケーの対応について二宮社長は、「当社として、増税にあわせて何か大きな対応をすることはない。増税によって、お客様の節約志向が高まり、むしろ当社にとっては新しいお客様を獲得するチャンスだと思っている。新しいお客様にも満足していただけるよう、常に新しいニーズに対応した商品を開発していきたい」と語った。

今期は、4月24日に「オーケー王子船堀店」を出店しており、「調布店」は2店目の出店となる。10月下旬に「ひばりが丘」、11月下旬に「住吉店」をオープンする計画だ。

店舗概要
所在地:東京都調布市小島町1-6-1
TEL:042-444-0771
営業時間:8時30分~21時30分
駐車場:90台
敷地面積:3603.3m2
売場面積:1495.52m2
アクセス:京王線「調布」駅から徒歩約8分
区分:自社
種類:ディスカウント・スーパーマーケット

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