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大阪王将/調理ロボ導入し「西五反田店」リニューアル、食材・人件費10%減へ

2023年09月29日 14:31 / 店舗レポート

大阪王将は10月1日、調理ロボットを試験導入し「西五反田店」リニューアルオープンする。9月29日報道向け内覧会を開催した。

<調理ロボット「I-Robo」>
調理ロボット「I-Robo」

TechMagicが開発した調理ロボット「I-Robo」をテスト採用。熟練の職人の技術を学習したAIが、人間に負けないレベルの炒め料理を提供する。

<人間に負けないレベルの炒め料理を提供>

スタッフは画面の指示に従いながら、具材・調味料を投入し、料理を盛り付ける。焦げも落とせる自動洗浄機能が付いており、人間が鍋を洗う際の半分の水で洗えるという。

<自動で洗浄>
自動で洗浄

大阪王将で提供しているドリンクと餃子以外の約 のグランドメニューのうち、20種類のメニューが で調理できる。

同店に「I-Robo」を3台導入することで、FLコスト(食材費と人件費の合計金額)10%削減を見込む。

<左:植月社長、右:白木社長>
左:植月社長、右:白木社長

大阪王将の植月剛社長は「10年前から調理ロボットの開発に取り組んでおり、今回で実験は3回目。TechMagicのロボットは、当社の調理検定で、全国でたった17名しかいない調理1級に近い技術、スピードで調理できる。投資は職人1人分程度のコストを想定している」と説明している。

また、「調理ロボを導入するからといって、無人店舗を目指すわけではない。職人はレシピの組み立て、味や技術を追求し、それをロボットに反映する。今まで職人を多めに採用し店舗で欠員が出ても、店舗運営に支障がないようにしていたが、今後味を確認する職人1人いれば、あとはアルバイトで店舗がまわせるようにしたい」と意気込む。

TechMagicの白木裕士社長は「I-Roboは大掛かりな設備ではなく、既存店を改装して導入することが可能だ。メニューに応じて、加熱温度、加熱時間、鍋の回転スピード、回転方向を柔軟かつ、適切に調整。AIが職人の味を学習し、外食の味を再現できる」と話している。

<左:ロボット調理、右:職人が調理>
左:ロボット調理、右:職人が調理

I-Roboが複数台あることで、炒め料理を同時進行で調理でき、できたて熱々の味を提供する。

<カスタマイズメニューも対応>
カスタマイズメニューも対応

また、アプリとタブレットを活用した、大阪王将初となるカスタマイズメニュー「自分盛り炒め」が登場する。「肉野菜炒め」は肉・野菜の種類、味付け・ボリュームなどを好みに合わせて選ぶことができる。

さらに、調理ロボ導入は、人手不足の解消にもつながる。職人の育成には入社から半年研修をするなど時間がかかる。I-Roboを使いこなす研修は、約3時間で習得できるという。

重たい中華鍋での調理をロボット化することで、女性を採用しやすくなる。外国人、障がい者、シニア採用も積極的に行うことも検討している。

<厨房の労働環境改善も>
厨房の労働環境改善も

火力を使わない分、厨房が従来に比べ高温になることを防ぎ、労働環境改善にもつながる。

<大阪王将 西五反田店>
大阪王将 西五反田店

植月社長は今後の店舗展開について「2019年からコロナ禍時は約49.5~66.1m2(15~20坪)、テークアウトとイートイン半々の店舗を出してきたが、これからは約82.6~99.1m2(25~30坪)で、イートインスペースを増やして出店する。I-Roboの活用で、海外でも日本の職人の味を再現でき、海外出店を加速したい」としている。

<海外出店を加速と植月社長>
植月社長

大阪王将は、2023年8月末現在全国で344店舗を運営。西五反田店での実験を検証し、今後国内外の店舗に導入していく計画だ。

■大阪王将 西五反田店
所在地:東京都品川区西五反田1-24-4
営業時間:月~土11時~22時30分(LO22時)、日・祝11時~21時30分(LO21時)
店舗面積:約88.59m2
座席数:34席

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