イオンリテール／ホームコーディ売場リニューアル、売上10％増目指す

2023年11月24日 14:36 ／店舗レポート

イオンリテールは11月17日、「イオン船橋店」（千葉県船橋市）でホームコーディの売場をリニューアルオープンした。

＜コーディネート提案を充実＞

同社は、新たなGMS（総合スーパー）の住まいと暮らしの売場の構築に向け、売場環境とオペレーションを刷新する。売上目標は約10％増。まずは「イオン船橋店」で検証を始め、売場改革を進めていくという。

「ここちよさを、デザインする」をコンセプトに、売場を4つのカテゴリー（暮らし・住まい・ステーショナリー＆クラフト・スマートライフ）で構成。品種ごとの陳列から、使用シーン・用途別の構成に変え、顧客の暮らしに合わせたコーディネート提案を充実させる。

＜齊藤本部長＞

22日開催の「イオンリテール売場改革戦略発表会」で、執行役員の齊藤岳彦住居余暇本部長は「商品・エリア改革を並行して進め、年次で5～10％の売上を伸ばしたい。ホームコーディ商品の取り扱いを増やし、類似するMD商品をかなり減らしている。陳列を絞り込み、どこに何があるかを分かりやすくした。

レジの人員を減らし、セルフレジ・タブレット型レジ（クラウドPOS）の導入によって接客に充てる。売場全体に関しては、来期に20～30店舗ぐらいこの形態にしたいが、さまざまな意見を顧客から頂いており、完成形ではない。船橋店で検証しながら徐々に修正していく」と説明した。

＜暮らし売場＞

まず「暮らし」の売場は5つのゾーニング（テーブルウェア・キッチンウェア・暮らし雑貨・家事雑貨・バス＆トイレタリー）で構成した。齊藤本部長は「『暮らし』の売場は760m2～826m2（230～250坪）で考えているが、店舗ごとに売場の広さが異なるため、店によっては『住まい』領域を拡縮する」と話す。

＜売場前方にシーズン雑貨を配置＞

テーブルウェアは和モダンテイストの品ぞろえを増やし、マグボトルやフードジャーなどのランチ用品で、外で楽しむランチのライフスタイルを提案する。キッチンウェアは「楽しくて楽」をテーマに、台所整理小物や大型キッチン収納を集合。暮らし雑貨は「フェイクグリーン」「キャラクター雑貨」「リラクシンググッズ」の3テーマで展開している。

家事雑貨では、清掃用品や防災用品、DIY用品も扱い、バス＆トイレタリーでは、バス・洗面収納やタオルなどを用意した。

＜住まい売場＞

「住まい」は、寝具とルームデコレーション、家具、収納の売場。寝具のマットレスは顧客の困りごとに対して提案できるよう、用途別に分類を変更する。寝具のカバーリングはコーディネート提案のために、カラー別を基本に陳列。収納は売場演出を活用して提案を強化し、素材や大きさに分けて選びやすくしている。

齊藤本部長は「寝具カテゴリーは売上の基盤。8割がPBとなる。今まではセルフで物を売る考えだったが、お試しコーナーを配置するなど、売り方を変えていく。収納をひとまとめにして新たに部門化した。船橋店ではテストトライアルとして家具を増やし、住まいに関する提案をしたい」と述べた。

＜ステーショナリー＆クラフト売場＞

「ステーショナリー＆クラフト」では、文具用品と手芸専門店「パンドラハウス」の商品が並ぶ。齊藤本部長は「文具・手芸どちらもマーケットが縮小しているカテゴリーだが、客層が30～40代の子育て世代と共通しており、売場を融合することで刷新できると考えた。文具の使用感を試せる『タッチ＆トライ！』コーナーでは、安全に配慮してハサミのも試せるようにしている」と話す。

デザインや機能が充実し、書き心地にこだわった「パーソナル文具」と、バースデーカードなどの「コミュニケーション文具」の品ぞろえを強化。道具だけの提案だけではなく、贈り物にできるようなクラフト商品も合わせて販売し、プレゼントや趣味のイメージにつながる売場にしていく。

＜スマートライフ売場＞

「スマートライフ」売場では、家電とイオンモバイル、リフォーム、カジタクを融合し、生活の進化とサポート提案を実施する。リフォーム売場のシステムキッチンやビルトインコンロの展示の隣には、生活家電の冷蔵庫や調理家電を陳列し、キッチンの世界観を形成。時短調理家電など顧客のライフステージごとに商品を提案する。

「住まいの相談カウンター」や「スマホ乗り換え相談所」なども設置してサービスを強化。いつでも気軽に相談でき、顧客の困りごとに対面で対応するという。

＜レジ周辺の様子＞