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百貨店大手5社/冬物衣料・インバウンド好調、全社売上増

2017年11月01日 16:20 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武は11月1日、10月の売上速報を発表した。

■三越伊勢丹(2017年3月期売上高:1兆2534億円)
国内百貨店売上高は、0.3%増となった。内訳は、三越伊勢丹0.6%増、国内グループ百貨店0.3%減だった。

土曜日が1日少ないにも関わらず、高額品需要は底堅く、コートを中心とした冬物衣料の動きも堅調だった。その結果、一部地域店や支店で台風の影響があったものの、国内百貨店の既存店売上は3か月連続、首都圏三越伊勢丹の既存店売上は5か月連続で前年実績を上回った。

基幹3店では、例年にない長雨と2度の台風が入店客数に影響したものの、急激な気温の低下を受けてコートなどの冬物衣料が各店とも好調。また、高額品や化粧品等のカテゴリーも引き続き売上を牽引した。

インバウンド売上は、前月からの好調トレンドが国慶節期間中・期間後を含めて継続し、基幹3店では、勢いのあった2015年の実績も上回った。

■J.フロントリテイリング(2017年2月期売上高:1兆1085億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は1.2%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は0.9%増となった。

土曜日が対前年1日減であったことに加え、2度の台風や降雨日数増によるマイナス影響があったものの、気温の低下に伴い婦人・紳士ともにコートが活発に動いたほか、化粧品、ラグジュアリーブランド、宝飾品が好調に推移した。

なお、大丸松坂屋百貨店合計は8か月連続、百貨店事業合計は7か月連続で前年実績を上回った。また大丸松坂屋百貨店の免税売上高(速報値)は、対前年104%増(客数同66%増、客単価同23%増)となった。

店舗別では、東京店が14か月連続、札幌店が11か月連続、心斎橋店が10か月連続、梅田店が5か月連続で前年実績を上回るなど直営4店と博多大丸が前年実績を上回った。

■高島屋(2017年2月期売上高:9236億円)
高島屋単体13店の売上高は2.3%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は2.1%増となった。

前年と比較し土曜日が1日少なかったことに加え、台風による影響があったものの、高額品や免税売上が伸長したほか、コートなど防寒衣料にも動きが見られ、3か月連続で前年実績を上回った。なお、免税売上は前年比62.2%増となった。

店舗別売上は、大型店ではインバウンド需要が好調な大阪店・京都店のほか、横浜店・新宿店が前年を上回った。地方郊外店では、9月27日に改装オープンした高崎店のほか、堺店・玉川店・柏店・岡山店が前年比プラスとなった。なお、泉北店・立川店・米子店は、昨年から売場面積が縮小している。

商品別売上は、紳士雑貨(当社分類による17店舗ベース、以下同じ)・婦人服・子供服ホビー・リビング用品・食料品などが前年を下回った。一方、特選衣料雑貨・宝飾品などの高額品のほか、紳士服・婦人雑貨が前年比プラスとなった。

■H2O(2017年3月期売上高:9012億円)
百貨店事業の全社計の売上高は、3.6%増となった。内訳は阪急本店10.2%増、阪神本店0.1%増、支店計4.7%減。全店売上高は11か月連続で前年実績を超えた。

都市型店舗を中心に婦人服や化粧品などで秋冬のトレンドに対する反応が良く、また、人気催事の集客力も寄与し、台風や、悪天候の日が多かったにも関わらず、売上は好調に推移。

高額品も、国内、インバウンド関係なく、海外ブランドの時計やジュエリーが好調な動きを見せた。インバウンドは、国慶節も好調に推移し、化粧品や高額なジュエリーや時計も活発な動きを見せ、好調継続(約2倍)した。

阪急本店は、売上高が11か月連続で前年実績を上回った。婦人ファッション全体(119%)が好調継続。婦人服(110%)が、気温の低下とともに秋冬物の動きが良く、特にジャケット(126%)、コート(128%)が高伸。今年で50回目を迎える「英国フェア」が過去最高の売上を記録し、集客に寄与した。

また、化粧品(143%)が気温の低下とともにスキンケア(163%)のまとめ買いが目立つ。メイク(123%)も若い世代に人気だった。

■そごう・西武(2017年2月期売上高:7479億円)
そごう・西武17店の売上高は0.1%増、西武池袋本店は2.3%増となった。

2週連続で日曜日に台風影響を受けるも、3か月連続での前年越えとなった。ラグジュアリーブランド、婦人雑貨、高級雑貨、子どもなどが前年を上回った。婦人雑貨は化粧品が続伸。高級雑貨も宝飾が牽引した。子どもは新規の動員催事が奏功し売上を支えた。

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