日本フードサービス協会/9月外食売上は緊急事態宣言続き8.2%減

2021年10月27日 10:20 / 月次

日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、外食産業の9月度売上状況は、前年同月比8.2%減となった。

9は、コロナ感染第5波のピークから脱し新規感染者数は減少傾向に転じたものの、引き続き三大都市圏などへの「緊急事態宣言」と全国各地への「まん延防止措置」が月末まで適用され、営業時間短縮と酒類提供制限の要請に応じた結果、店舗休業を余儀なくされたところも少なくなく、全体売上は対前年比8.2%減、コロナ禍前の一昨年比では21.7%減に留まった。パブ・居酒屋業態はさらに深刻な状況に陥り、前年比80.4%減、一昨年比は90.5%減となっている。

ファーストフード業態は、洋風の好調により売上は前年比5.3%増、前々年比では0.3%増となり、売上低迷に苦しむ酒類提供業態などとの差が際立つ結果となった。洋風は、従前通りテイクアウト・デリバリー需要が堅調であるのに加え、キャンペーンにより客数も増加し、売上15.7%増。和風は、季節商品・復活商品の販売が好調だったが、営業時間短縮などにより客数が減少し、売上は1.3%減だった。

麺類は、ビジネス街の需要低迷や酒類提供制限の影響を受けて売上10.1%減。持ち帰り米飯・回転寿司は、時短営業の中でも持ち帰り需要が堅調で売上0.5%減。その他は、カレーがほとんどの店舗で営業時間を短縮したこと、アイスクリームが大型商業施設での販売が振るわなかったことなどにより、売上7.3%減となった。

ファミリーレストラン業態は、前月に続き緊急事態宣言等による時短営業や酒類提供の制限で苦戦が続いている。テイクアウト・デリバリーのキャンペーンを打ってはいるものの、業態全体の売上は24.6%減(一昨年比では40.0%減)に留まった。業種別売上では、洋風24.2%減(一昨年比43.2%減)、和風28.3%減(一昨年比42.4%減)、中華15.0%減(一昨年比22.0%減)、焼き肉29.6%減(一昨年比40.3%減)だった。

パブ・居酒屋業態は、緊急事態宣言やまん延防止措置の延長で殆ど営業できない状態が続き、多くの店舗が休業に追い込まれた。売上の主力を占める酒類の販売は激減し、パブ・居酒屋業態全体の売上は前年の80.4%減、一昨年比では90.5%減という極めて深刻な状況にある。パブ・ビアホールの売上は73.3%減(一昨年比88.7%減)、居酒屋は83.2%減(一昨年比91.4%減)であった。

ディナーレストラン業態は、下旬の連休(シルバーウィーク)にはランチ需要で回復が見られたところもあったが、夜間営業の制限が続く状況下では法人需要も期待できず、売上は29.3%減(一昨年比では51.1%減)だった。

喫茶業態は、依然として外出自粛ムードの中で、店舗立地に拘わらず客足の戻りは鈍く、売上は12.7%減となった(一昨年対比では39.7%減)。

日本フードサービス協会/9月の外食売上8.2%増、残暑厳しく冷たいドリンク好調

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