日本フードサービス協会/8月外食売上18.0%増、平日と夜の客足は鈍化
2022年09月26日 11:00 / 月次
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日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、外食産業の8月度売り上げ状況は、前年同月比18.0%増となった。
8月度 | 売上高前年同月比 |
全体 | 18.0%増 |
ファストフード | 7.1%増 |
ファミリーレストラン | 31.5%増 |
パブ・居酒屋 | 342.7%増 |
ディナーレストラン | 53.9%増 |
喫茶 | 25.7%増 |
8月は、3年ぶりに営業制限や行動制限のない「お盆休み」となり、外食各業態の売り上げは前年を上回り、全体売り上げは18.0%増となったが、2019年対比では9.4%減と7月の1.5%減と比べると低調だった。コロナ第7波のピーク時で全国の新規感染者が約26万人という日もあり、平日と夜の客足は鈍化し、特に「パブ・居酒屋」では売り上げが2019年対比で55.8%減にまで落ち込んだ。
ファストフード業態では、テークアウト・デリバリーの定着で好調が続き、全体売り上げは7.1%増となった。
「洋風」は、顧客利便性を考えた施策などが好調を維持し、売り上げ3.8%増。「和風」は、新商品を次々と打ち出し、キャンペーンが好調で、売り上げ7.8%増。「麺類」は、持ち帰り商品のラインアップの増加などから売り上げ21.2%増となっている。
「持ち帰り米飯/回転ずし」は、弁当などのデリバリーやネット注文が好調に推移し、回転ずしもコロナ前ほどではないがお盆需要が比較的堅調で、売り上げ6.7%増となった。「その他」は、「アイスクリーム」が、お盆期間中の地方の売り上げが好調で売り上げ8.0%増。
ファミリーレストラン業態の 全体売り上げは、31.5%増となった。一部店舗ではお盆期間の帰省客や観光客で堅調な売り上げとなったが、それ以外の期間や都心部などでは、売り上げはおおむね低調に推移した。特にこれまで戻りが弱かった夜間の集客は平日を中心にさらに落ち込んだという。
「洋風」は売り上げ27.0%増、「和風」は35.9%増。2019年対比では「洋風」23.8%減、「和風」22.6%減と低調だった。
「中華」は、店内飲食、持ち帰りともに堅調を維持し、売り上げ23.9%増、2019年比で1.0%減となった。「焼き肉」も、堅調に推移して売り上げ50.8%増、2019年比で7.9%減だった。
パブ・居酒屋業態は、昨年はコロナ第5波のピークで酒類提供が制限されていたことから、「パブ・居酒屋」の売り上げは342.7%増となった。
しかし、新規感染者が拡大した7月後半以降は宴会のキャンセルが続出し、大口の宴会はほぼなくなり、小口の宴会もキャンセルが相次いだ。2019年対比では6月をピークに下降し、前月の46.7%減からさらに下回り55.8%減となった。一部店舗では継続的な人手不足に加え、従業員の感染者や濃厚接触者が増加し、スタッフの確保が困難で営業に支障が出るなどの苦境が続いているとしている。
ディナーレストラン業態は、売り上げ前年比は53.9%増ながら、コロナ第7波の中でお盆の集客は思ったほど伸びず、書き入れ時であるはずの8月にもかかわらず、宴会のキャンセルで売り上げは停滞、2019年比は31.3%減にとどまった。
喫茶業態では、営業時間制限がなく、新商品の発表や価格改定により客単価は上昇し、売り上げは25.7%増となるも、主にオフィス街において客足が伸びず、2019年対比では23.9%減だった。
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