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大手百貨店/8月売上高三越伊勢丹21.2%増、そごう・西武14.1%増

2023年09月01日 17:50 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は9月1日、8月の売上速報を発表した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 21.2%増
J.フロントリテイリング 18.5%増
H2Oリテイリング 23.8%増
高島屋 13.1%増
そごう・西武 14.1%増

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比21.2%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)18.5%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)23.8%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)13.1%増、そごう・西武10店計14.1%増だった。

引き続き高額品、インバウンドが好調だった。

■三越伊勢丹HD(2023年3月期売上高:4874億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比17.7%増、三越日本橋本店店頭10.7%増、三越銀座店62.2%増などで、三越伊勢丹計21.2%増だった。

札幌丸井三越17.1%増、仙台三越5.5%増、静岡伊勢丹2.4%減、名古屋三越14.1%増、広島三越8.4%増、高松三越7.0%増など、国内グループ百貨店計は11.8%増となり、国内百貨店計は17.5%増となっている。

両本店を中心に、高付加価値商品の売り上げがけん引。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、17カ月連続で2018年度を上回る実績で推移をしている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、ハンドバッグや財布などが引き続き好調で売上をけん引した。帰省時お土産需要や集いの機会が増えたことで 和洋菓子や総菜も堅調に推移した。

ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に軽衣料やバッグなど秋物の新作も好調に動き出しているという。

免税売上はラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などへの関心の高さが継続し、東京・札幌・福岡の店舗を中心に大きく伸長したことで、7月に引き続き国内百貨店計(既存店)で、コロナ前の2018年同月実績を超えた。

■J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:9987億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比17.7%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は18.5%増だった。

8月度の売上高は、中旬の台風による関西7店舗と名古屋店臨時休業のマイナス影響があったものの、化粧品、ラグジュ
アリーブランドが大きく売上を伸ばした。訪日外国人売上が好調を持続していることに加え、前年同時期に感染者数が増加
していたことによる反動増もあった。

店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回った。訪日外国人売上シェアが高まっている心斎橋店、夏休みで入店客数
を大きく伸ばしている東京店、梅田店が特に増加している。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年283.6%増(客数1763.7%増、客単価同79.4%減)。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2023年3月期売上高:6280億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比23.8%増となった。内訳は阪急本店25.8%増、阪神梅田本店33.7%増、支店計18.6%増。

台風6号の影響により、博多阪急では8月9日に閉店時間を繰り上げ、10日には開店時間の繰り下げを実施した。また、台風7号の近畿圏縦断に伴い、15日には関西の11店舗で臨時休業を行っている。

前年における新型コロナウイルス感染第7波の影響の反動もあり、大阪での連日の猛暑日やお盆期間の台風の直撃にも関わらず、都心店各店の売上高が前年の2割以上伸長し、全店の売上高前年比も2割増と好調な結果となった。

売上高の2018年対比は14%増、インバウンドを除く国内売上高対比8%増と、ともに今月もコロナ前水準を上回った。中でも阪急本店は2018年対比25%増(同国内売上高対比14%増)、阪神梅田本店は28%増(同28%増)と今月も大きな伸びを示した。免税売上高は、前月に続き単月として過去最高を更新している。

阪急本店は、8月として過去最高の売上高を更新した。

インバウンドも含めて来店客数が順調に推移し、全カテゴリーで店頭売上高が前年実績を上回った。

中でも、婦人ファッション全般は前年の売上高の2割以上と好調。さらに、モード・インターナショナルファッション、アクセサリー、バッグ、化粧品などは前年売上高に対し3割以上と大きく伸びている。

カットソー、サンダル、パラソルなど盛夏商材をはじめ浴衣も引き続き好調。インターナショナルファッション、バッグ、婦人靴などでは、秋冬の新作・新色も入荷が始まり、反応が良いという。

お盆期間中、台風の影響はあったものの、集いの機会の回復により、和洋菓子が好調。また、エンゲージリング、マリッジリングの購入、人気モデルや新作の腕時計など高額商材をセットで購入する親子連れなどが多く見受けられた。結果、100万円以上の高額品の売上高は前年に対し約3割増となっている。

■高島屋(2023年2月期営業収益:4434億円)
高島屋国内百貨店既存店計は14.7%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は13.1%増だった。

8月度の売上高は、新たに全店で設けた休業日や、台風7号による関西店舗の臨時休業があったものの、国内・免税売上高ともに堅調に推移し、前年・2019年を上回っている。

特に免税売上高は前年同月比166.8%増、2019年同月比39.8%増と、全体を押し上げた。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、大宮店、柏店、岡山店、高崎店が前年を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、全商品群が前年実績が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2023年2月期営業収益:1854億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比14.1%増(2019年同月比3.3%減)、西武池袋本店は12.9%増(同0.5%増)となった。

8月は、高額商材領域は、依然好調を継続。プレステージブランド前比約35%増、高級雑貨呉服10%増となっている。

猛暑の影響で化粧品、帽子、サングラスなどの婦人雑貨(15%増)需要が継続。外出機会の増加で衣料品も好調だった。

羽織ものなど秋まで着られるアイテムの動きも活発化し、衣料品計は前比約20%増(婦人服5%増、紳士スポーツ15%)となった。

免税利用売上・客数も復調傾向で、売上前比約3倍弱、2019年比約20%減。客数前比約10倍弱、2019年比約5%増だった。

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