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農水省/新型コロナウイルス「食品製造・流通への影響」ヒアリング

2020年04月27日 16:30 / 店舗

農林水産省は4月22日、新型コロナウイルス感染症の食品製造・流通への影響に関するヒアリングを実施した。4月24日に開催した記者会見で、江藤拓大臣が明らかにした。

ヒアリングでは、インスタント食品、パスタ、インスタント麺など、さらに増産することが可能なことを確認したものの、工場、物流ともにフル稼働の状態が続き、生産現場が疲弊していることが明らかになった。

チェーンストアの協会の会長からは、店舗等でのお客からのきつい当たりがあり、大変現場が苦しんでいるとの報告があり、是非、思いやりの気持ちを持って来店して欲しいとの声があった。

また、メーカーは新商品の発売を先延ばしすることで、売れ筋商品にマンパワー、資材を集中投入し、品切れを防ぐ施策を打ち出しているという。会見の概要は次の通り。

質疑応答

――食品関連企業を対象とした新型コロナの影響についてのヒアリング(8社の経営トップが出席)の受け止めと所管をお聞かせください。

江藤大臣 非常にですね、良かったと思っております、そのようなヒアリングをやらせていただいたのは。間接的には承知している内容の方が正直多かったということでございますけれども、例えば、インスタント商品につきましてはですね、今般の事案が発生して以来、1.2倍から1.5倍の増産体制を敷いていただいておりますが、更にそれ以上の増産力が実はあるんだと、そういったことをはっきり聞かせていただきました。

ですから、今でも十二分なパスタ、それからインスタント麺等については供給体制が整っておりますが、これ以上の供給も更に可能だということをはっきり聞けたことはですね、大変安心させていただけた部分だと思います。

しかし、生産現場が今申し上げましたように、工場等、それから物流等についてもですね、フル稼働の状態がずっと続いておりますので、生産現場の疲弊が大変苦しいという声がですね、各社、皆様方共通しておっしゃったことであります。

そして、チェーンストアの協会の会長からはですね、やはり店舗等でのお客様からのきつい当たりがあると、そういうものについてですね、大変現場は苦しんでいると。是非、思いやりの気持ちを持ってですね、御来店をいただきたいと。そういったことの広報のようなことも農林水産省でしていただけないかと、そういった話もありました。

しかし、全般的にはですね、卸の方の話も聞けました。卸のところはですね、特に、高級果物であったり、魚の中でも高級な食材については苦戦しているということでありますけれども、全体として、物流はしっかりと確保されているということであります。

しかし、毎日これも医療現場と同じようにですね、食品の物流というのは止めることができない現場でありますけれども、そこでマスクが圧倒的に足りないということもあって、農林水産省としてですね、ずいぶんしっかりマッチングはしてきたつもりでありますが、更に足りないという御要望もありましたので、そういったことについてもしっかり対応していきたいと思っております。

それ以上のことは特に大きなことはございませんが、これから6日に向かって、国民の皆様方に最後の御協力をいただく場面がありますので、それで緊急事態宣言が解除されるのかどうかでまた状況が変わるのか、ということでございます。

パニック購買の状況なし、物流ドライバー不足への対応検討

――パニック購買についての話はありましたか。

江藤大臣  確かにパニック購買の話はありました。しかし、現在ですね、パニック購買のような状況は見られませんが、学校が休校になっているということでですね、お母さんが買い物に行けば子供が付いてきたりというのは無理もないところは正直あるんですけれども、できるだけ来店者数をですね、絞っていただきたいという御要望の方が強かったような気がいたします。

ですから、一時的にですね、現在でも、物によっては物が店頭から不足する、少し少なくなるという現象は見られますけれども、アイテムコントロールをしっかり業界がしていただいてですね、例えば新商品を作ろうと、発売しようと思っていたものを先延ばしにして、売れ筋のものにですね、いわゆるマンパワーも資材も集中的に投入することによって、売れ筋の商品については、必ず棚に品物があるようにコントロールしてくれているということでありますから、パニック的な購買はですね、今のところは、心配はされるが、特に起こっているという報告ではありませんでした。

ただ、世界的な話をするとですね、やはり世界的な問題だと思っています。世界的にも、各国においてですね、パニック的な購買が起こればですね、全体としての、地球規模での食料の需給というものがタイトになる可能性がありますので、やはり、我々日本はもちろんですね、G20の時にも話題になりましたけれども、世界規模で冷静な購買、そして囲い込みのようなことが起こらないようにですね、連携をしていくことが、地域でも国際的にも求められるというふうに思っております。

――物流のドライバーの人手不足で観光業界とマッチングを検討していますか。

江藤大臣 物流とのマッチングの話はですね、随分お話はありました。自社のところでですね、トラック、物流組織をしっかり持っているところも中にはありましたけれども、しかし外部に頼っているところもあってですね、普段の2倍3倍の頻度で品物を店舗に運んでいるという話もありました。

一番多いところは4倍程度というところもありました。ということであれば、とても人間が足りないということでありますから、我々のところでは農業の生産現場で、いわゆる技能実習生の方々が足りない部分について、既にマッチングを一生懸命やっておりますけれども、そういったことについてもですね、国土交通省や他の省とも連携することによってですね、十分可能だというふうに思っております。

しかし、なかなか品物が変わるとですね、勝手が違う。特に生ものを扱う世界というのはですね、なかなかすぐにできることではありませんので、しっかりその辺りを見極めなければなりませんが、業界の方々の御意見を伺いながら、マスクの不足であったり、物流に関するドライバーの不足であったり、そういったものの解消については、省庁連携の下で解消の努力をしていきたいと思っております。

江藤農林水産大臣記者会見概要(2020年4月24日)

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