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東急/渋谷の商業売上は池袋の半分「商業施設に過剰感なし」

2023年05月30日 15:54 / 店舗

東急グループは5月30日、渋谷まちづくり戦略「Greater SHIBUYA」最新情報発表会を開催した。Greater SHIBUYAとは、東急グループが2020年に策定した、渋谷駅から半径2.5km圏内を「広域渋谷圏内(Greater SHIBUYA)」と定義し、「面」としてのまちづくりを推進する施策。北は原宿、南は中目黒、西は池尻、東は広尾を含めた広域での開発を進めている。

<広域渋谷圏内>
広域渋谷圏内

同日、渋谷ヒカリエで開催した発表会で、東急の坂井洋一郎渋谷開発事業部長は、「渋谷は、商業施設において代名詞的な街ですけれども、実際、数値を見ますと売上ベースでは、例えば池袋の半分、新宿と比べると3分の1以下ぐらいの売上状態です。というのは、すり鉢状の狭いエリアですので、そんなに多くの商業施設が、もともと作れない地理的な要件がございます。あと、今東急グループでいろいろ進めている商業計画はスクラップアンドビルドで、以前あったビルを壊しての新しい商業施設を生み出しています。そういう意味で、商業施設は、そんなに大幅に増えるわけではないのです。そういう状況で、もともと(商業施設が)そんなに足りてない中でのスクラップアンドビルドですので、オーバーストアという感覚は持ってございません」と渋谷エリアでの商業施設に過剰感はない認識を示した。

その上で、「ただ一方で、今メタバースの話ですとか、バーチャルとリアルの関係性、これどういうふうに解いていくのか、非常に大きな命題だと私は思っています。渋谷には発信力があります。いろんな意味で、例えば、ソーシャルネットワークとか、やはり渋谷を取り上げる方がものすごく多い中で、モノからコトへ、コトからトキへというふうに言われてますけれども、やはり渋谷に来て楽しみたいという方は、まだまだ多いと思っております。そういう方が来て楽しめるように、商業的なところも、まだまだしっかり整備していくべきかと思っております」と今後の商業施設開発の方向性を示した。

<坂井部長>
坂井部長

東急では、2010年に「渋谷駅中心地区まちづくり指針2010」を公表。2012年に複合施設「渋谷ヒカリエ」を開業した。2013年には東横線と都心線の相互直通運転が開始。そして、地上にあった東横線渋谷駅と線路の跡地周辺に2018年に「渋谷ストリーム」、2019年に「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷フクラス」が開業した。鉄道改良を開発要件とすることで、44万m2ほどの建物規模を誕生させた。

2023年からは、渋谷再開発の第2ステージと位置付けており、2023年11月30日に「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」を竣工、2024年5月末に渋谷ヒカリエ裏側に「SHIBUYA AXSH(渋谷アクシュ)」を竣工する予定だ。

2021年7月には、新しいまちづくり戦略「Greater SHIBUYA2.0」を策定。渋谷でしか体験できない「渋谷型都市ライフ」の実現にむけ、「働く」「遊ぶ」「暮らす」の三要素の融合と、その基盤となるデジタル、サステナブルに取り組む方針を打ち出している。

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