大阪・心斎橋/商業施設・寺院・ホテルの複合施設オープン
2023年10月11日 13:18 / 店舗
東京建物は10月11日、宗教法人三津寺との共同事業、寺院・ホテル・商業施設一体型複合施設「東京建物三津寺ビルディング」(大阪市中央区)が完工したと発表した。
地下鉄御堂筋線「心斎橋」駅と「なんば」駅の中間地点に位置し、1808年建立の七宝山大福院 三津寺の本堂を保存するとともに、ホテル・商業施設も備えたプロジェクトとなる。
三津寺の本堂・庫裏がホテルと一体的に建設されたユニークな建物。テナントとして入居する「カンデオホテルズ大阪心斎橋」は、11月26日開業する。
三津寺庫裏には、「境内から連続するオープンな茶室」「密教寺院のお堂を思わせる仏像・仏画の展示ギャラリー」を配置し、檀信徒の交流の場として活用される。
また、本堂を包み込む外郭のフレームとともに、ガラスファサードが特徴的な角地には、御堂筋の顔にふさわしいハイエンドな商業施設の入居を予定している。
開発にあたっては、三津寺を持続可能な形で存続させていくため、東京建物がプロジェクトマネジメントを担い、事業スキームの構築および建物開発を主導した。
三津寺の所有する土地に定期借地権を設定し、東京建物が借地権者となった。寺院・ホテル・商業施設一体型の複合施設を開発することにより、三津寺が抱えていた本堂の保存・継承や庫裏の老朽化といった課題の解決を実現したという。
従来、三津寺筋から参拝客を迎えていた本堂(文化5年建立)を新築建物の3層吹き抜けピロティ空間に曳家することで、寺社の上部容積を新築建物に活用する都市型寺院の新たなプロトタイプの形成を提案した。
曳家とは、建物を基礎から切り離し、建物を保存しつつもともとあった場所から移動させる工法。
本堂の再建においては、1933年以前の姿に戻すため軒の修復、向拝(唐破風)の撤去を行い、その部材の一部を境内の出入口に装飾として転用をすることで記憶、文化の継承を表現している。
三津寺では11月26日、落慶法要を予。楽人、稚児、吹螺師、僧侶が御堂筋を練り歩いた後、三津寺本堂にてご本尊様に改築を報告するお勤めを行う。
■東京建物三津寺ビルディング
所在地:大阪市中央区心斎橋筋2-7-12
用途:寺院、ホテル、物販店舗
建築主:東京建物
設計者:大成建設関西支店一級建築士事務所
施工者:大成建設関西支店
着工:2021年1月6日
完工:2023年9月29日
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