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MV西日本、マルナカ、山陽マルナカ/経営統合で2025年売上7000億円目標

2018年10月12日 17:10 / 経営

マックスバリュ西日本、マルナカ、山陽マルナカは10月10日、経営統合すると発表した。

MV西日本の加栗章男社長が11日、都内で会見を開き、「3社を統合することで、2025年度に売上高7000億円、営業利益率3.0%を目指す」と述べた。

<加栗社長>
加栗社長

2018年2月期のMV西日本の売上高は2697億円、マルナカの売上高は1786億円、山陽マルナカの売上高は1229億円で、事業譲渡の影響を除くと、単純合計売上高は5315億円となる。

<現在の各社の状況>
現在の各社の状況

経営統合は2019年3月に、MV西日本を株式交換完全親会社、マルナカと山陽マルナカを株式交換完全子会社とする株式交換を行い、マルナカと山陽マルナカをMV西日本の完全子会社にする。

<経営統合のスケジュール>
経営統合のスケジュール

加栗社長は、「私はマルナカ、山陽マルナカの会長を2年間ほど務め、両者の強さも弱さも知っている。最終的には一つの会社とならないと統合の効果はでないと思っている。2021年3月くらいには一つの会社にしたい。1年で合併するのは難しく、3年では長いので、2年を一つの目途として新会社を作りたい」と述べた。

<店舗移管の計画>
店舗移管の計画

経営資源を集中するため、マックスバリュ西日本は兵庫8店を光洋に、山陽マルナカは大阪11店、兵庫2店、奈良1店、合計14店をダイエーに譲渡する。

譲渡後の店舗数は、マックスバリュ西日本は兵庫81店、岡山12店、広島31店、山口38店、徳島3店、香川6店、愛媛6店、合計177店、マルナカは兵庫7店、徳島26店、香川66店、愛媛25店、高知19店、合計143店、山陽マルナカは兵庫6店、岡山54店、広島3店、合計63店を展開する。統合後の店舗数は合計383店となる。

<統合後の目標>
統合後の目標

経営統合により相互の経営資源及びノウハウの共有化、とりわけ、マルナカの生鮮商品力を最大限に活かした生鮮強化型スーパーマーケットを確立する。

兵庫県西部・岡山市・広島市・山口県西部・香川県への積極出店によるドミナントエリア強化と広島県東部・愛媛県の空白エリアへの出店によるシェア拡大を目指す。

徳島県西部の買い物困難エリアへの移動販売事業やネットスーパーをはじめとするノンストア事業を確立する。

<統合時の検討事項>
統合時の検討事項

経営統合後の店舗名称について加栗社長は、「岡山・中四国ではマルナカの名前は非常に大事なので残す。一方で姫路であればマックスバリュの名前でいく。マックスバリュ、ビック、マルナカの屋号の名前は地域ごとに残る予定だ。ただ、新会社の名称については新しいものでも良いと思っている」と述べた。

イオングループではディスカウントストア事業の再編も進めているが、加栗社長は、「ザ・ビッグはいま1100億円くらいの規模がある。広島、山口、四国、一部兵庫に店を展開している。当社にとって大切な事業のためザ・ビッグの移管はいま考えていない。空白エリアである鳥取、島根についてはザ・ビッグで出店する予定だ」と語った。

「ザ・ビッグは生鮮食品も数多く展開しており、今回の統合では効果もある。ただ、ディスカウントストアはグロサリーのプライベートブランド商品が大切であり、スーパーマーケット以上に商品が鍵となる。将来的には、スケールメリットを出すために全国のザ・ビッグを統合することに意味はあると思う」と述べた。

<統合により目指すシナジー>
統合により目指すシナジー

経営統合により、投資を加速する中で、物流・プロセスセンター改革を重点的に行う予定だ。

加栗社長は、「かつてのイオングループの事業構造はGMSが中心であり、物流やプロセスセンター、システムはGMSを前提につくられている。そのため、スーパーマーケットとしては非常に使いずらいものになっている。スーパーマーケットとして、自分たちでコントロールできる物流・プロセスセンター・システムがなければ、成長ができない」と語る。

物流センターを作るには投資が必要で、1センターあたり70億円から100億円かかるため、1つの会社ではなく3社が一緒にやることで投資効率を高める計画だ。

現在、広島市内、高松、岡山で合計3つのセンターを計画する。高松は、来年末に稼働できるように建設している。

広島にはセンターがないので、広島にセンターを作る。また、MV西日本の白浜生鮮加工配送センターはリニューアルする予定だ。

これらのセンターと山陽マルナカが2016年9月に、岡山市南区築港元町に開設した「イオン岡山ロジスティックスセンター」の4つを自社でコントロールすることで物流効率を上げる。

<統合準備委員会を設置>
統合準備委員会を設置

加栗社長は、「マックスバリュ、マルナカ、山陽マルナカは全く似ていない。人件費、人事制度、給与水準も違う。その意味では持株会社の方がコストは少なくなる。ただ、やろうとしていることは、3社一緒となって、MDも合わせて、地域のお客さんからいいねと言ってもらえるものを作ろうということだ」。

「3社の良いところの寄せ集めではなく、自分たちも見たこともない新しい店を作りたいということを統合準備委員会で言おうと思っている。見たこともない店を作る時、どんな店を作りたいのか、その時にどんな商品が必要なのか、そのためには物流をどうしなければならないのかを一生懸命、議論することが大事だ。この作業を半年間くらいかけてやり、そのためのセンター、システムを作る」。

「イオングループの北海道から九州までのスーパーマーケットが同じ思いでインフラを作る。そうするとグループ内にスーパーマーケットとしてのインフラができる。当社以外に進んでいる会社があれば、それを参考にすれば良いし、グループとしてのシナジーも生まれる。各エリアのリーダーは、そういう思いでいる。これまでとは変わったものができると思っている」と語った。

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