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UAゼンセン/2019年賃金闘争・要求状況、正社員は平均3.55%・パートは40円要求

2019年03月07日 17:20 / 経営

流通・食品・サービスや繊維・化学など多様な労働者178万人で構成する労働組合UAゼンセンは3月4日、2019年賃金闘争・要求状況を発表した。

<UAゼンセン>
UAゼンセン

3月4日10時時点で、正社員組合員は469組合、パートタイム組合員は175組合、契約社員は92組合が要求書を提出した。組合員数では全体で約92万人で、内訳は正社員約41万人、パートタイマー約48万人、契約社員約3万人。

正社員組合員の要求状況では、要求額の確認できる468組合の要求総合計の単純平均は9297円(3.55%)、賃金体系維持分が明確な182組合の賃金引上げ分の単純平均は4164円(1.49%)だった。前年と比較できる462組合の単純平均額は前年を100円程度上回った。

規模別では、単純平均で要求総合計、賃金引上げ分とも300人未満の組合が300人以上の組合を大きく上回っている。300人未満で前年と比較できる212組合の要求総合計の単純平均は昨年を165円上回った。

正社員の初任給改定は189組合が要求し、平均の要求額は高卒4682円増額、大卒4989円増額だった。企業内最低賃金は186組合が要求し、18歳最低賃金の平均の要求額は4780円増額(水準16万5509円)となった。

パートタイマーは175組合(組合員47万9316人)を集約した。要求総合計(制度昇給、ベア等込)の単純平均は40.0円(4.08%)だった。前年と比較できる165組合の単純平均額はほぼ前年同水準となった。

要求総合計の組合員一人あたり平均の引き上げ率は3.93%で、正社員の3.28%を上回り、3年連続してパートタイム組合員の要求率が正社員を上回ることとなった。一人平均の要求額・率は2010年以降で最も高い水準となった。

松浦明彦会長は、「物価上昇が確実な中で、組合員の生活を守る観点から昨年以上の妥結を目指すのが労働組合の使命だ。引き続き、産業間の賃金格差、大手企業と中小企業による賃金格差、正社員とパートという働き方による賃金格差の是正を目指していく」と述べた。

賃金以外の労働条件改善の要求では、131組合で労働時間改善の要求を行った。インターバル規制はすでに100組合以上で導入が進んでいるが、今年度も84組合が導入や制度改善を要求している。

定年制度改定では96組合が要求、うち82組合が65歳定年を要求している。

均等・均衡処遇の取り組みでは、175組合が正社員との格差の点検に取り組み、一時金(パートタイマー68組合、契約社員30組合)、退職金(パートタイマー23組合、契約社員17組合)、家族手当(パートタイマー20組合、契約社員16組合)などの要求を行った。

124組合がハラスメントの対策を要求し、うち22組合が悪質クレーム対策についても要求した。

育児・介護両立支援を64組合、病気休暇等の充実を41組合、自然災害被災時の休暇整備を39組合が要求した。

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